ビジネス

東武「スペーシアX」など相次ぐ特急への新車両投入 他社線乗り入れ増で新たな展開も期待 

東武鉄道の新型特急「スペーシアX」の出発式が2023年7月15日、東京・浅草駅で行われた。満席となった初列車は、駅長の合図とともに走り出した(時事通信フォト)

東武鉄道の新型特急「スペーシアX」の出発式が2023年7月15日、東京・浅草駅で行われた。満席となった初列車は、駅長の合図とともに走り出した(時事通信フォト)

 特急と呼ばれる特別急行列車に乗ろうというときは、目的地に速く到着できるだけでなく、普通列車では味わえない気分を楽しみたいものだ。新幹線網の発達によって全国的には減少している印象が強い特急だが、私鉄では唯一の乗り心地を提供する新型特急車両の投入が相次いでいる。ライターの小川裕夫氏が、東武鉄道「スペーシアX」など、特急をめぐる近年の動向についてレポートする。

 * * *
 2023年7月15日、東武鉄道は新型特急列車「スペーシアX」の運行を開始した。スペーシアXは東武の拠点となっている浅草駅と東武日光駅・鬼怒川温泉駅を結ぶ新型特急で、東武はこれまでにも看板列車のスペーシアを運行してきた。スペーシアXの運行開始は、いわば東武が浅草―日光・鬼怒川といった観光地に引き続き力を入れていくという宣言でもある。

 2020年から感染拡大した新型コロナウイルスは観光業界に大きな影を落とし、それは鉄道業界にも大打撃を与えた。

 鉄道業界を危機に陥れたコロナ禍だったが、今年に入って国内観光客や訪日外国人観光客は回復基調にある。

 しかし、東武は以前から浅草から国際的に観光地として人気の高い日光や高度経済成長期に開発に傾注した鬼怒川とを結ぶ特急列車を運行している。このほど、新たにデビューしたスペーシアXは回復基調にある観光需要だけを見て、いきなり登場したわけではない。コロナ禍以前から着々と準備を進めてきた。

「新たにデビューするスペーシアXは、これまで運行してきた100系スペーシアの後継と位置付けています。スペーシアXは日光観光の象徴となるような車両の開発をコンセプトにしています。乗車される旅行者一人ひとりに自分だけの最適な日光、最適な乗車感を提供することで、特急による日光観光の満足度を向上させ、リピーターが増加することを目指しています」と話すのは、東武の広報担当者だ。

車内にカフェカウンターのある特急

 スペーシアXには、プライベートジェットをイメージして設計・デザインされたコクピットスイートと呼ばれる約11.1平方メートルの個室があり、コクピットスイートからは前面・側面の窓から広い展望を堪能できる。

関連記事

トピックス

左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
悠仁さまが学園祭にご参加、裏方として“不思議な飲み物”を販売 女性グループからの撮影リクエストにピースサイン、宮内庁関係者は“会いに行ける皇族化”を懸念 
女性セブン
衆院広島5区の支部長に選出された今井健仁氏にトラブル(ホームページより)
【スクープ】自民広島5区新候補、東大卒弁護士が「イカサマM&A事件」で8000万円賠償を命じられていた
週刊ポスト
V9伝説を振り返った長嶋茂雄さんのロングインタビューを再録
【長嶋茂雄さんロングインタビュー特別再録】永久不滅のV9伝説「あの頃は試合をしていても負ける気がしなかった。やっていた本人が言うんだから間違いないよ」
週刊ポスト
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏(=左。時事通信フォト)と望月衣塑子記者
山尾志桜里氏“公認取り消し問題”に望月衣塑子記者が国民民主党・玉木代表を猛批判「自分で出馬を誘っておいて、国民受けが良くないと即切り捨てる」
週刊ポスト
「〈ゆりかご〉出身の全員が、幸せを感じて生きられるのが理想です。」
「自分は捨てられたと思うのは簡単。でも…」赤ちゃんポスト第1号・宮津航一さん(21)が「ゆりかごは《子どもの捨て場所》じゃない」と思う“理由”
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談【第24回】現在70歳。自分は、人に何かを与えられる存在だったのか…これから私にできることはありますか?
週刊ポスト
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
NEWSポストセブン