スポーツ

繰り返されるサポーターの暴走 問われる名門クラブ「浦和レッズ」の自浄する力

試合前に盛り上がる浦和レッズのサポーター。熱心なサポーターが多いことでも知られている(イメージ、時事通信フォト)

試合前に盛り上がる浦和レッズのサポーター。熱心なサポーターが多いことでも知られている(イメージ、時事通信フォト)

 熱狂的なサッカーファン、といえば海外ニュースとしてたびたび報じられてきた試合をきっかけにスタジアム内外で暴力的行為を行う「フーリガン」の存在がある。日本でも2002年サッカーW杯開催時には、出入国管理法にフーリガン条項を加えて入国を阻止するほど神経をとがらせてきた問題だが、それに相当するような騒ぎを起こす一部サッカーファンが日本国内にも存在する。生活する人たちの「日常」の変化を記録し続けている日野百草氏が、サッカー「サポーター」たちに迫る変化についてレポートする。

 * * *
「怖かった。次から次に、黒い服を着た連中がこっちに走って来るんですから。撮んじゃねえ、動画を消せ、とか証拠を撮ってるサポに迫ってました」

 Jリーグ、名古屋グランパスエイトの応援席にいた筆者の知人、古くからのサッカーファンが証言してくれた。

熱くなるのはわかるが、実力行使に出ることはない

 8月2日、CSアセット港サッカー場で事件は起きた。天皇杯4回戦、名古屋グランパスと浦和レッズとの試合後に浦和の一部サポーターが暴走、ピッチに乱入したり緩衝帯を突破したりと名古屋側の応援席、ゴール裏へ押しかけるなどした。あげく、彼の話によれば横断幕を剥がす、名古屋側のサポを脅す、警備員と揉み合いになるなど暴徒化、愛知県警が出動する騒ぎとなり、その様子も動画で拡散された。

「サポ同士の挑発はどこでもあります。でもレッズ(の一部)は実力行使してくる。これまでも表に出ないところで相手サポを脅したり、ボコったりがありました。何度も警告や制裁を食らって、そのときは大人しくなることもありますが結局、元通りになる」

 襲われた側の意見なのでどうしても主語が大きくなるが、もちろん浦和レッズのサポーターすべてがこうした集団でないことは断っておく。

 しかし今回の件、もはやサッカーがどうとか、スポーツがどうとかの話ではなく社会問題、大量の警察隊により鎮圧されたいわば「騒乱」である。

 刑法第106条の「騒乱罪」かどうかはともかく、条文を参考に挙げる。

刑法第106条
多衆で集合して暴行又は脅迫をした者は、騒乱の罪とし、次の区別に従って処断する。
1.首謀者は、1年以上10年以下の懲役又は禁錮に処する。
2他人を指揮し、又は他人に率先して勢いを助けた者は、6月以上7年以下の懲役又は禁錮に処する。
3.付和随行した者は、10万円以下の罰金に処する。

 そんな大げさな、と思うかもしれないがサポーターの暴徒化はかつての「フーリガン」問題含め、多くの国でサッカーの枠を超えた社会問題、立派な「騒乱罪」と同様の扱いとされ、常に逮捕者を出してきた歴史がある。

関連記事

トピックス

無期限の活動休止を発表した国分太一(50)。地元でもショックの声が──
《地元にも波紋》「デビュー前はそこの公園で不良仲間とよくだべってたよ」国分太一の知られざる “ヤンチャなTOKIO前夜” 同級生も落胆「アイツだけは不祥事起こさないと…」 【無期限活動停止を発表】
NEWSポストセブン
広島県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年6月、広島県。撮影/JMPA)
皇后雅子さま、広島ご訪問で見せたグレーのセットアップ 31年前の装いと共通する「祈りの品格」 
NEWSポストセブン
草野刑事を演じた倉田保昭と響刑事役の藤田三保子が当時を振り返る(撮影/横田紋子)
放送50年『Gメン\\\\\\\'75』 「草野刑事」倉田保昭×「響刑事」藤田三保子が特別対談 「俺が来たからもう大丈夫だ」丹波哲郎が演じたビッグな男・黒木警視の安心感
週刊ポスト
月9ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』主演の中井貴一と小泉今日子
今春最大の話題作『最後から二番目の恋』最終話で見届けたい3つの着地点 “続・続・続編”の可能性は? 
NEWSポストセブン
TOKIOの国分太一(右/時事通信フォトより)
《あだ名はジャニーズの風紀委員》無期限活動休止・国分太一の“イジリ系素顔”「しっかりしている分、怒ると“ネチネチ系”で…」 “セクハラに該当”との情報も
NEWSポストセブン
『ザ!鉄腕!DASH!!』降板が決まったTOKIOの国分太一
《どうなる“新宿DASH”》「春先から見かけない」「撮影の頻度が激減して…」国分太一の名物コーナーのロケ現場に起きていた“異変”【鉄腕DASHを降板】
NEWSポストセブン
日本のエースとして君臨した“マエケン”こと前田健太投手(本人のインスタグラムより)
《途絶えたSNS更新》前田健太投手、元女子アナ妻が緊急渡米の目的「カラオケやラーメン…日本での生活を満喫」から一転 32枚の大量写真に込められた意味
NEWSポストセブン
出廷した水原被告(右は妻とともに住んでいたニューポートビーチの自宅)
《水原一平がついに収監》最愛の妻・Aさんが姿を消した…「両親を亡くし、家族は一平さんだけ」刑務所行きの夫を待ち受ける「囚人同士の性的嫌がらせ」
NEWSポストセブン
中世史研究者の本郷恵子氏(本人提供)
【「愛子天皇」の誕生を願う有識者が提言】中世史研究者・本郷恵子氏「旧皇族男子の養子案は女性皇族の“使い捨て”につながる」
週刊ポスト
夫・井上康生の不倫報道から2年(左・HPより)
《柔道・井上康生の黒帯バスローブ不倫報道から2年》妻・東原亜希の選択した沈黙の「返し技」、夫は国際柔道連盟の新理事に就任の大出世
NEWSポストセブン
新潟で農業を学ことを宣言したローラ
《現地徹底取材》本名「佐藤えり」公開のローラが始めたニッポンの農業への“本気度”「黒のショートパンツをはいて、すごくスタイルが良くて」目撃した女性が証言
NEWSポストセブン
1985年春、ハワイにて。ファースト写真集撮影時
《突然の訃報に「我慢してください」》“芸能界の父”が明かした中山美穂さんの最期、「警察から帰された美穂との対面」と検死の結果
NEWSポストセブン