「働けることが幸せ。厨房に立つのも運動になっています」
厨房で腕を振るう天川さん。メニューのレシピは頭の中に入っている
【100歳】天川ふくさん(群馬県)
月曜から土曜まで週6日、家業のラーメン店「銀華亭」(藤岡市)の厨房に立つ天川ふくさん。麺を茹でたり、野菜を炒めたりと調理を担当するほか、ラーメンを客席まで運ぶなど100歳には見えない活躍ぶりだ。チャーミングな笑顔と朗らかな接客でファンの客も多い。
「お客様から長寿の秘訣を聞かれることも多いのですが、長生きのために特別にしていることはありません。自然体ですね。店に立って足を鍛えていることが元気でいられる一番の理由ではないかと思います」
麺が茹で上がるまでの隙間時間に軽くストレッチやスクワットをしたり、かかとの上げ下ろしをしたりと、厨房でも元気に体を動かす。
「起床してから朝食までの間にお茶を飲み、新聞を読んでバナナを半分食べるのが毎日のルーティーンです」
来店客から話しかけられることも多い
20年前に夫が亡くなった後、次男と長女と3人で店を切り盛り
「日本最高齢者になるまで、時計修理を続けるのが目標」
送られてきた昭和38年製造の懐中時計を分解して修理する石田さん
【103歳】石田要一さん(福井県)
福井市で「石田時計店」を営む時計職人の石田要一さんの元には、メーカーや時計店で直せなかった時計が全国各地から送られてくる。鮮やかな手つきで分解、洗浄し、数十の細かな部品を組み立て直す。動かなくなった時計が再び時を刻み出す。
「若い頃は1日20個修理しましたが、今は1日2~3個ですね。部品が残っていない古い時計の場合、ストックしている他の部品を改造して修理に使います」
15歳で時計職人の道に入り、90年近く時計修理を続けてきた。実は96歳から始めた砲丸投げでマスターズ(95~99歳)の日本新記録を樹立したアスリートでもある。健康維持の秘訣は「規則正しい生活」と「肉、魚、野菜、果物をバランスよく摂ること」。毎朝1時間、手指や脚の屈伸など全身の運動も欠かさない。
朝7時半に店を開き、閉店の19時半まで作業する
毎日、約3kgの砲丸を持ち上げて腕の筋肉を鍛えている