芸能

神田伯山が講談師初の『オールナイトニッポン』 高田文夫氏が心配して聴いたら文句ばかり

神田伯山が講談師初の『オールナイトニッポン』(イラスト/佐野文二郎)

神田伯山が講談師初の『オールナイトニッポン』(イラスト/佐野文二郎)

 放送作家、タレント、演芸評論家、そして立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、神田伯山のラジオ番組について綴る。

 * * *
 人柄だけは名人級、三遊亭好楽。2階が住まいで1階に自前の寄席。上野「池之端しのぶ亭」(40名で満杯)。私がゲストで出ると言ったら即完売、問い合せのTEL200本。一之輔、竹丸も駆けつけ、私と好楽の“おっさん面白トーク”。私はこの男の家に大学生時代何回も酔って泊まったことがある。最初の師匠・林家正蔵(のちの彦六)のこと、2番目の師匠『笑点』司会だった三遊亭圓楽のことなど話して大盛りあがり。

 終わって打ち上げに行こうと表へ出るとなんと寄席は40人だったのに私の出待ちが60人。サインして写真。するとむこうから私よりは全然若いおばちゃますっとんで来て「高田さん、私、週刊ポストの連載何年もずっと読んでるのよ。あれだけは辞めないで。人選が毎週いい!!」。さすが下町のお母さん目ききである。それにしても女の人から週刊ポスト連載の話が出たのは長い人生で初めて。女性だって読んでいる、大切にしなきゃ。

 飛ぶ鳥にまで毒を吐いて落としている神田伯山が講談師初の『オールナイトニッポン』2時間の生放送をやることに(9月13日)。私も心配になったので(放禁やら何を言い出すか分からないので)自分の放送で「伯山とっちらかるととんでもないこと言うから当日、深夜オレ立ち会おうかな」とシャレでポツリ言ったら、それがプレッシャーになったらしくスタッフにきいたらオタオタ。放送でも文句言ってた。

「オールナイトニッポン史上、初の父兄参観放送になると思ったら高田センセーいねぇじゃねぇか。そりゃそうだ老人だものな」だと。余計なことをぬかす。途中息切れすると「なんだよ。大のおとながなんで夜中にこんなに必死になって喋ってんだよ。それもこれもたけし&高田が生で2時間という悪しき習慣を作ったんでしょ。1時から3時はワルにとって聖なる時間とした元凶があのふたりなんだよ」。

 当たるを幸いなぎ倒しどうにかこうにか史上初の講釈師による『オールナイトニッポン』は無事終了。やかましかったから次はパントマイマーにでも頼んでみるか。

 立川談春と柳家三三が「怪談・牡丹灯籠」をひっさげ、長いあの噺をリレーで演じ、全国ツアー中。17日、有楽町朝日ホールでの会を聞きに行ったがまあ達者。「俺たちの圓朝を聴け!」と銘打っているが、落語界の永久欠番だし、宝なんだから流派関係なく「圓朝」をどっちかが継いじゃえばいいのに。それが駄目なら「大圓朝」とでも名乗ったら。

※週刊ポスト2023年10月6・13日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

中居正広氏の近況は(時事通信フォト)
反論を続ける中居正広氏に“体調不良説” 関係者が「確認事項などで連絡してもなかなか反応が得られない」と明かす
週刊ポスト
「地面師たち」からの獄中手記をスクープ入手
「全てを話せば当然、有罪となっていたでしょう」不起訴になった大物地面師が55億円詐欺「積水ハウス事件」の裏側を告白 浮かび上がった“本当の黒幕”の存在
週刊ポスト
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《大谷翔平が“帰宅報告”投稿》真美子さん「娘のベビーカーを押して夫の試合観戦」…愛娘を抱いて夫婦を見守る「絶対的な味方」の存在
NEWSポストセブン
「お笑い米軍基地」が挑んだ新作コント「シュウダン・ジケツ」(撮影/西野嘉憲)
沖縄のコント集団「お笑い米軍基地」が戦後80年で世に問うた新作コント「シュウダン・ジケツ」にかける思い 主宰・まーちゃんが語る「戦争にツッコミを入れないと」
NEWSポストセブン
神谷宗幣氏(写真中央)が率いる参政党は参院選で大躍進した。東京選挙区でも塩入清香氏(右)が当選(2025年8月写真撮影:小川裕夫)
《午前8時の”異変”》躍進した「参政党」、選挙中に激しい応酬のあった支持者と反対派はどこへ?参院選後の初登院の様子をレポート
NEWSポストセブン
令和最強のグラビア女王・えなこ
令和最強のグラビア女王・えなこ 「表紙掲載」と「次の目標」への思いを語る
NEWSポストセブン
“地中海の楽園”マルタで公務員がコカインを使用していたことが発覚した(右の写真はサンプルです)
公務員のコカイン動画が大炎上…ワーホリ解禁の“地中海の楽園”マルタで蔓延する「ドラッグ地獄」の実態「ハードドラッグも規制がゆるい」
NEWSポストセブン
『週刊ポスト』8月4日発売号で撮り下ろしグラビアに挑戦
渡邊渚さん、撮り下ろしグラビアに挑戦「撮られることにも慣れてきたような気がします」、今後は執筆業に注力「この夏は色んなことを体験して、これから書く文章にも活かしたいです」
週刊ポスト
強制送還のためニノイ・アキノ国際空港に移送された渡辺優樹、小島智信両容疑者を乗せて飛行機の下に向かう車両(2023年撮影、時事通信フォト)
【ルフィの一味は実は反目し合っていた】広域強盗事件の裁判で明かされた「本当の関係」 日本の実行役に報酬を支払わなかったとのエピソードも
NEWSポストセブン
ブラジルの元バスケットボール選手が殺人未遂の疑いで逮捕された(SNSより、左は削除済み)
《35秒で61回殴打》ブラジル・元プロバスケ選手がエレベーターで恋人女性を絶え間なく殴り続け、顔面変形の大ケガを負わせる【防犯カメラが捉えた一部始終】
NEWSポストセブン
モンゴルを公式訪問された天皇皇后両陛下(2025年7月12日、撮影/横田紋子)
《麗しのロイヤルブルー》雅子さま、ファッションで示した現地への“敬意” 専門家が絶賛「ロイヤルファミリーとしての矜持を感じた」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
三原じゅん子氏に浮上した暴力団関係者との交遊疑惑(写真/共同通信社)
《党内からも退陣要求噴出》窮地の石破首相が恐れる閣僚スキャンダル 三原じゅん子・こども政策担当相に暴力団関係者との“交遊疑惑”発覚
週刊ポスト