「この研究で、FD患者に食事画像を見せると全ての画像において脳血流の平均値が安静時と比べて亢進しているのが判明しました。また、その時の気持ちを点数化したものを確認すると明らかにネガティブになっています。一方、健常者では脳の活動にほとんど変化が見られませんでした。やはり、FDは食事を摂る行為そのものがストレスであり、症状を誘発する原因だったのです」(勝又医師)
FD患者にとって、この研究の成果は病気の確定診断となり、治療への第一歩となっている。今後は成果を応用し、人間関係や仕事を示唆する画像を見せることで、脳にかかる負担を数値化し、様々な疾患の予防や治療に繋げていく。
取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2023年10月20日号