芸能

アニメ担当だった元テレビマンが述懐する「ジャニーズ事務所との仕事」と現在

「アニメの仕事なんて」という芸能事務所が多かった(イメージ)

「アニメの仕事なんて」という芸能事務所が多かった(イメージ)

 スキャンダルが明るみに出たとき、その解決としてキャンセルカルチャーで終わらせない努力が、同じ時代を生きる私たちには必要だろう。現在、長年にわたる性加害問題で世の中の関心を大きく集めているジャニーズ事務所はかつて、近年の支配的なイメージとは少し異なる存在だった。名も無き人たちの生活と社会の変化を記録する作家の日野百草氏が、古くアニメ放映で芸能事務所と、ジャニーズと仕事で関わった元テレビマンが見えていたもの、について聞いた。

 * * *
「ジャニーズ事務所はとてもよく話を聞いてくれた。当時の私からすれば『天下のジャニーズなのにありがたい』という思いでした」

 彼はかつて、社員としてテレビのアニメーション放映に携わった。すでに会社は定年、年齢的にも現場から遠ざかって久しいが、かつてはサラリーマンという裏方としてテレビアニメを支えた時代があった。

 もちろん、小さいながらもジャニーズ事務所との仕事もあった。

「いまでは考えられないでしょうけど、昔は『アニメの仕事なんて』という芸能事務所が多かった。声優を露骨に差別するような芸能人だっていた。収録でも『あの人(声優)たちとは別で』なんて芸能人もいた」

テレビアニメを放送していても同じ局の情報番組から無視される時代

 こうした光景はとくに1990年代くらいまでだろうか。

「ギャラやスケジュールの問題もありますが、主に理屈でない『格』の問題ですね」

 昼のバラエティに声優がレギュラー出演するいまとなっては想像できない若者もいるかもしれないが、声優という仕事が芸能人より下、むしろ芸能人になれなかったから声優、と決めつけられ、蔑視された時代は間違いなく存在した。それはベテラン声優からエッセイやトークなどで語られることもある「事実」である。もちろん楽曲提供やタイアップなどは別で古くからあったが「声の仕事」となると話は別、いまやなりたい職業ランキング上位の声優という仕事、いまの若者が思うよりずっと「格下」にされてきた「史実」がある。

 それがいまや「アイドルより声優」という志望者、むしろアニメの声優になりたいがためにまずはアイドル活動、という志望者もいる。

「そういう時代でもジャニーズ事務所はちゃんと話を聞いてくれた。作品にもよりますが、他の大手芸能事務所に比べれば『とても話しやすい事務所』だったと思います」

関連記事

トピックス

二階俊博・元幹事長の三男・伸康氏が不倫していることがわかった(時事通信フォト)
【スクープ】二階俊博・元自民党幹事長の三男・伸康氏が年下30代女性と不倫旅行 直撃に「お付き合いさせていただいている」と認める
NEWSポストセブン
雅子さまにとっての新たな1年が始まった(2024年12月、東京・千代田区。写真/宮内庁提供)
《雅子さま、誕生日文書の遅延が常態化》“丁寧すぎる”姿勢が裏目に 混乱を放置している周囲の責任も
女性セブン
M-1王者であり、今春に2度目の上方漫才大賞を受賞したお笑いコンビ・笑い飯(撮影/山口京和)
【「笑い飯」インタビュー】2度目の上方漫才大賞は「一応、ねらってはいた」 西田幸治は50歳になり「歯が3本なくなりました」
NEWSポストセブン
司忍組長も姿を見せた事始め式に密着した
《山口組「事始め」に異変》緊迫の恒例行事で「高山若頭の姿見えない…!」館内からは女性の声が聞こえ…納会では恒例のカラオケ大会も
NEWSポストセブン
M-1での復帰は見送りとなった松本(時事通信フォト)
《松本人志が出演見送りのM-1》今年の審査員は“中堅芸人”大量増へ 初選出された「注目の2人」
NEWSポストセブン
浩子被告の顔写真すら報じられていない
田村瑠奈被告(30)が抱えていた“身体改造”願望「スネークタンにしたい」「タトゥーを入れたい」母親の困惑【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
「好きな女性アナウンサーランキング2024」でTBS初の1位に輝いた田村真子アナ(田村真子のInstagramより)
《好きな女性アナにランクイン》田村真子、江藤愛の2トップに若手も続々成長!なぜTBS女性アナは令和に躍進したのか
NEWSポストセブン
筑波大学・生命環境学群の生物学類に推薦入試で合格したことがわかった悠仁さま(時事通信フォト)
《筑波大キャンパスに早くも異変》悠仁さま推薦合格、学生宿舎の「大規模なリニューアル計画」が進行中
NEWSポストセブン
『世界の果てまでイッテQ!』に「ヴィンテージ武井」として出演していた芸人の武井俊祐さん
《消えた『イッテQ』芸人が告白》「数年間は番組を見られなかった」手越復帰に涙した理由、引退覚悟のオーディションで掴んだ“準レギュラー”
NEWSポストセブン
10月1日、ススキノ事件の第4回公判が行われた
「激しいプレイを想像するかもしれませんが…」田村瑠奈被告(30)の母親が語る“父娘でのSMプレイ”の全貌【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン
六代目山口組の司忍組長。今年刊行された「山口組新報」では82歳の誕生日を祝う記事が掲載されていた
《山口組の「事始め式」》定番のカラオケで歌う曲は…平成最大の“ラブソング”を熱唱、昭和歌謡ばかりじゃないヤクザの「気になるセットリスト」
NEWSポストセブン