1979年8月、アニメ映画「銀河鉄道999」が公開。徹夜の行列も現れたほどブームとなったが、多くの芸能事務所からアニメの声優という仕事は「格下」扱いされたままだった(時事通信フォト)

1979年8月、アニメ映画「銀河鉄道999」が公開。徹夜の行列も現れたほどブームとなったが、多くの芸能事務所からアニメの声優という仕事は「格下」扱いされたままだった(時事通信フォト)

 あくまで筆者の好みで本稿の彼とは無関係に抽出するが、『ヴイナス戦記』(1988年)の植草克秀、『餓狼伝説 THE MOTION PICTURE』(1994年)の錦織一清、とくに香取慎吾の『赤ずきんチャチャ』(1994年-1996年)は多くのファンが覚えているだろう。ちなみに筆者は30年近く前の話だが雑誌「コンプティーク」編集部員時代に『サムライスピリッツ 破天降魔の章』(1994年)の記事を担当したことを思い出す。主人公の覇王丸の声を演じたのが香取慎吾(本章のみ)、その人であった。

 もちろん、いまでは人気絶頂のアイドルがアニメの声優など珍しくもない。むしろ話題作ともなると人気の若手俳優やアイドルがこぞって声をあてる。

「インターネット前は『ジャニーズが出てくれれば宣伝してもらえる』という意味もありました。テレビアニメなんて、自社で放映したって自社の情報番組やワイドショーから無視される時代でしたから。劇場アニメすらそうですよ。でも彼らが出てくれればテレビで扱ってもらえる。一般の方々に広く知ってもらうには芸能人に出て欲しい、それもジャニーズなら扱ってもらえますから、話を聞いてくれたり、実際に仕事をしてくれたりはありがたかったですよ」

 それでも2000年代以前はいまと違う印象もあった、とも語る。

「ジャニーズ事務所は確かに人気でしたが、一時はアイドル冬の時代もありましたし、ミュージシャンや若手芸人ほどには持て囃されてなかった時代もあった。SMAPだって最初から人気ではありませんでした」

 ジャニーズも決して常に順風満帆ではなかった。「光GENJI」のブレイクから1990年代に入ると、その「光GENJI」はもちろん「忍者」「男闘呼組」といったグループが解散や活動休止となった。個々の事情はともかく、SMAPのブレイク以降のような時代でなかったことは確かだ。

「現場でも1990年代の一時期はそんな印象です。残念ながら人気の出なかったグループもあった。決して最初から『ジャニーズ帝国』なんてイメージはなかった。一般の方々の認知度とは違って、他にもっと規模の大きくて、権力を持つ芸能事務所はありますからね」

 あくまでメディア関係者、それもアニメーション関係者としての視点だが、やはりSMAPという「革命」があったことは確かだろう。先の『赤ずきんチャチャ』の香取慎吾もそうだが、何でもこなす「マルチアイドル」として日本を代表するグループとなった。

「ジャニーズ所属の方々はとても礼儀正しい。決して偉ぶったりしなかったし、どんな現場でも楽しんでこなしてくれた。これは私の経験でしかありませんが、アニメの現場では珍しいことなんですよ」

関連記事

トピックス

昭和館を訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年12月21日、撮影/JMPA)
天皇ご一家が戦後80年写真展へ 哀悼のお気持ちが伝わるグレーのリンクコーデ 愛子さまのジャケット着回しに「参考になる」の声も
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
《ジャンボ尾崎さん死去》伝説の“習志野ホワイトハウス豪邸”にランボルギーニ、名刀18振り、“ゴルフ界のスター”が貫いた規格外の美学
NEWSポストセブン
西東京の「親子4人死亡事件」に新展開が──(時事通信フォト)
《西東京市・親子4人心中》「奥さんは茶髪っぽい方で、美人なお母さん」「12月から配達が止まっていた」母親名義マンションのクローゼットから別の遺体……ナゾ深まる“だんらん家族”を襲った悲劇
NEWSポストセブン
シーズンオフを家族で過ごしている大谷翔平(左・時事通信フォト)
《お揃いのグラサンコーデ》大谷翔平と真美子さんがハワイで“ペアルックファミリーデート”、目撃者がSNS投稿「コーヒーを買ってたら…」
NEWSポストセブン
愛子さまのドレスアップ姿が話題に(共同通信社)
《天皇家のクリスマスコーデ》愛子さまがバレエ鑑賞で“圧巻のドレスアップ姿”披露、赤色のリンクコーデに表れた「ご家族のあたたかな絆」
NEWSポストセブン
1年時に8区の区間新記録を叩き出した大塚正美選手は、翌年は“花の2区”を走ると予想されていたが……(写真は1983年第59回大会で2区を走った大塚選手)
箱根駅伝で古豪・日体大を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈3〉元祖“山の大魔神”の記録に挑む5区への出走は「自ら志願した」
週刊ポスト
12月中旬にSNSで拡散された、秋篠宮さまのお姿を捉えた動画が波紋を広げている(時事通信フォト)
〈タバコに似ているとの声〉宮内庁が加湿器と回答したのに…秋篠宮さま“車内モクモク”騒動に相次ぐ指摘 ご一家で「体調不良」続いて“厳重な対策”か
硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将(写真/AFLO)
《戦後80年特別企画》軍事・歴史のプロ16人が評価した旧日本軍「最高の軍人」ランキング 1位に選出されたのは硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将
週刊ポスト
米倉涼子の“バタバタ”が年を越しそうだ
《米倉涼子の自宅マンションにメディア集結の“真相”》恋人ダンサーの教室には「取材お断り」の張り紙が…捜査関係者は「年が明けてもバタバタ」との見立て
NEWSポストセブン
死体遺棄・損壊の容疑がかかっている小原麗容疑者(店舗ホームページより。現在は削除済み)
「人形かと思ったら赤ちゃんだった」地雷系メイクの“嬢” 小原麗容疑者が乳児遺体を切断し冷凍庫へ…6か月以上も犯行がバレなかったわけ 《錦糸町・乳児遺棄事件》
NEWSポストセブン
11月27日、映画『ペリリュー 楽園のゲルニカ』を鑑賞した愛子さま(時事通信フォト)
愛子さま「公務で使った年季が入ったバッグ」は雅子さまの“おさがり”か これまでも母娘でアクセサリーや小物を共有
NEWSポストセブン
ネックレスを着けた大谷がハワイの不動産関係者の投稿に(共同通信)
《ハワイでネックレスを合わせて》大谷翔平の“垢抜け”は「真美子さんとの出会い」以降に…オフシーズンに目撃された「さりげないオシャレ」
NEWSポストセブン