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組長から「豆を煎れ」と指示された組員 フライパンに入れていたものを見た姐さんが「何やってんの!」と衝撃

殻付きの生落花生。食べるには茹でたり煎ったり、加熱する必要がある(イメージ、時事通信フォト)

殻付きの生落花生。食べるには茹でたり煎ったり、加熱する必要がある(イメージ、時事通信フォト)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、暴力団組長自宅の台所で起きた「豆を煎る」事件について。

 * * *
 10月17日、違法薬物所持の疑いで家宅捜索を受けた指定暴力団住吉会系の組員の自宅から、拳銃1丁と実弾21発が発見されたというニュースが流れた。東京都板橋区にある自宅のクローゼットの中にあったメタルケースに、タオルでくるまれた状態で入っていたという。このニュースを見て、ある暴力団の組長の妻である姐さんが、こんな話をしていたことを思い出した。

 当時、組長の自宅には住み込みの若い衆がいた。組員は組長についてヤクザとしての心得や所作、日常的な礼儀や作法を学び、掃除や料理などは姐さんが教えていたという。そんなある日、出かけていた姐さんが自宅に戻ると、その組員が台所に立っていた。

「コンロの前で何やら真剣な様子で手を動かしていて。私が帰ってきたことに気が付かないぐらい集中していたんだよね」。”カラカラ、コロコロ”という音がして、どうやらフライパンで何か硬い物を料理をしているようだったという。

「ただいま」と声をかけると、組員は驚いたのかピシッと背筋を伸ばして、ゆっくりと振り向いた。その顔は少し青ざめていたという。「おかえりなさい」組員の声は固かった。「何してるの」と聞くと、組員は「組長に言われて、豆を炒ってます」と低い声で答えた。

「豆ね」という姐さんに、組員は固い表情を崩さなかった。数日前、組長の家には千葉の知人から殻付きの落花生が届いていた。姐さんはそれを組員が炒っていると思い、軽い調子で「殻付きだと弱火で4~50分ぐらいは炒らないとダメよ。どれぐらい炒っているの」。そう言いながらフライパンを覗こうとした。

 ところが「大丈夫です。ちゃんとやってます」といって組員がフライパンを高く掲げ、身体を張って姐さんがフライパンを覗くのを阻止した。フライパンを下ろさせようとする姐さんと、高く掲げようとする組員の攻防がコンロの前でしばし続いた。イライラした姐さんは「フライパンを下ろしなさい」と一喝。その声に、渋々コンロにフライパンを下す組員。フライパンの中で炒られていたのは”薬莢”それも実弾だったのだ。

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