報道陣や傍聴のために訪れた人々が甲府地裁前に集まる

甲府地裁前には、報道陣や傍聴に来た人々が集まった

 2021年10月に行なわれた高校の学園祭終了後、Cさんから再び、交際を明確に断わるLINEが届いた。遠藤被告は「話したい」と何度かLINEを送ったが、Cさんは遠藤被告のアカウントをブロックしたため、既読にならず、返信もこない。

「最初のメッセージから2時間半経ってもメッセージを見ないし、返信しない」と思った被告は、Cさんへの怒りを我慢できなくなり、Cさんに対し肉体的精神的苦痛を与えることを考え始めた。“Cさんを拉致、強姦して忘れられなくしてやろう”と企てたが、そのようなことをすれば社会に戻れなくなる。それならば逃走しよう……そう考え、Cさんの拉致強姦、そして犯行後の逃走を計画し始める。

 ホームセンターで寝袋など、逃走後の生活のための道具を買ったほか、Cさんへの拷問のための道具も購入した。爪を剥ぐためにペンチを、体に針を打ち込むためにホームパンチャーなどを調達したという。遠藤被告の曽祖母宅の近所に空き家を見つけ、そこに潜伏することも決め、食料を持ち込んだ。

 そして事件の数日前。Cさんを拉致しようと高校で待ち伏せしていた遠藤被告は、Cさんが友人と親しくしている様子を目撃する。友人は女子だが、男子風の格好をしていたため、遠藤被告は友人を“男”だと思い込んだ。

「自分の交際を断わり、連絡を絶ったのに、別の人と親しくしている。Cが自分を裏切った」

 と怒りをたぎらせたまま、Cさんを尾行、家を突き止めた。一旦帰宅したのち、遠藤被告は計画を変更する。「Cに大きな傷を与えよう。家に侵入し家族を皆殺しにして、Cを拉致、拷問、強姦しよう。放火して犯人だとわかる痕跡を隠滅しよう」と考えるようになる。新たに斧やナイフ、放火のためのライターオイルやカセットボンベなどを購入し、深夜3時半頃、Cさんや家族が住む家に侵入した。ドアや窓は施錠されていたが、窓にテープを貼り、ガラスを叩き割って解錠する。

「このまま実行すれば、後戻りできなくなる、と躊躇った。しかし、やはり自分を怒らせたCのことを絶対に許せない」

 遠藤被告はこう決意していたという。寝ているCさんの両親であるAさん、Bさんをいきなり斧で攻撃し、ナイフで刺して殺害。2階から降りてきたCさんの妹・Dさんの頭に斧を振り下ろす。2階に逃げたDさんに対して「後からでも殺せる」と、AさんとBさんを執拗に攻撃した。繰り返し頭部を叩かれ、それぞれ斧による傷が10以上認められた。Aさんは亡くなる直前に二度、110番通報をしていたが、一度目の通報時の途中から応答がなくなったという。

 その後被告は「インターネットで見た動画を参考」にして放火し、そのまま逃走した。姉妹は2階から飛び降り、コンビニに駆け込んで保護された。事件で重大な精神的苦痛を負い、ともにPTSDと診断されている。

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