「評論家をして野村監督が一番変化したのは、ミーティングを重視するようになったことでした。野村監督と言えば、今でこそ入念なミーティングの印象が強いかもしれませんが、選手兼任監督だった南海時代は忙しくて時間を割けなかった。それが、私がコーチをしていた阪神時代は、夕食後に1時間、必ずミーティングをするようになっていました。
実は、あの有名な『野村ノート』も、評論家時代にまとめたメモをヤクルトの監督になって活用したもの。野村監督は『評論家時代は時間があり余っている。よく野球も見たし、色んなことを考えた』と話していました。その経験が弱小チームを常勝軍団に変えたのです。岡田もおそらく、あり余っていた時間に野球を深く見つめたのだと思います」
仰木監督と野村監督という2人の名将の存在と、外から野球を見た10年間の経験が、今季の岡田阪神を強くした。その集大成として日本シリーズでも輝きを放てるか。