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《雪辱の日本一へ》阪神・岡田彰布監督を強くした「10年間の評論家生活」「仰木彬氏、野村克也氏の存在」

いよいよ頂点への勝負に挑む(時事通信フォト)

いよいよ頂点への勝負に挑む(時事通信フォト)

 栄光の1985年以来、38年ぶりの日本一を目指す阪神。岡田彰布監督にとっては第一次政権の2005年に日本シリーズでロッテに敗北して以来の雪辱を果たす大舞台。その相手が現役生活最後の2年、そして監督として3年を過ごしたオリックスであることは特別な感慨があるはずだ。

 1980年から阪神で14年間プレーした岡田氏は、1993年オフに阪神から自由契約となった時、オリックスの仰木彬監督(当時)から「ウチで燃え尽きたらどうや」と誘われオリックス入りを決意した。1995年シーズンに38歳で現役を引退した後は、1996~98年にオリックス、1999年からは阪神で指導者として奔走。阪神の第一次政権の監督を退任する2008年、51歳になるまでユニフォームを着続けた。

 現役時代は南海で野村克也氏の控え捕手として下積みを重ね、野村氏の移籍後は正捕手として活躍。引退後は、西武やダイエーのコーチを経て、阪神で星野仙一監督、岡田監督のもとで編成部長を務めた黒田正宏氏が明かす。

「岡田は仰木さんと出会ったことで『野球人はユニフォームを脱いだらダメ』という考えを持つようになったそうです。1999年に阪神に戻ってからは二軍監督から一軍コーチを経て監督になりましたが、そういうキャリアになったのは岡田に『ユニフォームを脱がずに監督になる』という信念があったから。野村(克也)監督、星野監督と“外様監督”が続いた間、評論家の話はすべて断わり、二軍に置かれても辛抱していました。それもこれも、ユニフォームを脱がずに監督になるためでした」

 それほど現場にこだわった岡田氏が初めてユニフォームを脱いだのは、第一次政権を退任した2008年オフのこと。1年間の評論家を経て2010~2012年にオリックス監督を務めた後は、今シーズンまで実に10年もの間、現場を離れていたことになる。

 前出・黒田氏は「ユニフォームを脱いで外から野球を見た評論家としての10年が岡田を変えた」と語った上で、「野村監督も評論家をやって変わった人でした」と名将の名をあげて比較した。黒田氏は野村阪神で野村監督の懐刀としてバッテリーコーチを務め、前述のように岡田阪神でも編成部長として、2人の指揮官を見てきた。

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