近隣住民の声
のどかな昼下がり、平和な住宅街は立てこもり事件の現場へと変貌した──。地元住民たちは外出できず、家の中で不安な時間を過ごしている。蕨郵便局の近くに住む女性が語る。
「16時過ぎに警察の方が自宅に来て、『扉とシャッターを閉めて、窓から離れたところで待機してください』と指示を受けました。自宅を退避することも勧められました。買い物にも行けず、ずっと家の中にいます。誰も家から出ないので、郵便局前はとても静かです。今日は娘が遊びにくる予定でしたが、『危ないから来ないで』と連絡しました」
発砲音を聞いたという住民もいる。
「14時過ぎ、郵便局のあたりで何か騒ぎになっているようだと主人が外に出たところ、パンパンという発砲音を耳にしました。すぐにお巡りさんから『家に戻って』と言われました。郵便局の近くに住んでいる人たちは、少しでも家から出ようとするとお巡りさんに止められるので、カンヅメ状態です。私は体が悪いので、知り合いが『あのお家に食事の差し入れをできないか』とお巡りさんに頼んでくれましたが、『それもダメです』と言われてしまいました」(また別の住民)
火災があった戸田駅付近のアパートの住民にも話を聞いた。焼けた棟に住んでいた高齢男性は、まさに火災発生の瞬間に自宅にいた。
「トイレに入ってるときにドンドンと大きな音がして、何かと思って外に出たら煙がモクモクすごくて、これは大変だと逃げた。隣のお宅の人はちょうど外出だったようで、バイクがなかった。避難場所でも姿を見かけておらず、気にかかっている」
警察は現在、立てこもり犯人とアパート火災との関連性も捜査している。残る人質も保護され、再び町に平和が戻ってほしい。