芸能

テレ朝、土曜深夜にアイドル主演「不倫ドラマ」3作放送中 俳優として頭ひとつ抜けるためのトライアルか

齊藤京子主演の『泥濘の食卓』。次回11日放送は通常より30分遅れで放送予定(ドラマ公式サイトより)

齊藤京子主演の『泥濘の食卓』。次回11日放送は通常より30分遅れで放送予定(ドラマ公式サイトより)

 道ならぬ恋に身を焦がす男女ふたり。その行き着く先は破滅か、それとも……。数十年にわたるテレビドラマの歴史上、「不倫」をテーマにしたり、物語のなかに取り入れている作品は数多い。しかし、ひと口に“不倫ドラマ”と言っても、その有り様は時代ごとに移り変わる。ドラマオタクのライター・編集者の小林久乃氏が、放送中の連続ドラマから、その最新事情を紐解く。

 * * *
 新聞のラテ欄を見ていて「?」と思った。毎週末、テレビ朝日では深夜帯に3本の“不倫ドラマ”が放送されている。ドラマオタクとして長年テレビドラマを見続けているけれど、これはとても稀なケースだ。

 1990年代に『ポケベルが鳴らなくて』(日本テレビ系・1993年)、『青い鳥』(1997年・TBS系)、『失楽園』(1997年・日本テレビ系)、『Sweet Season』(TBS系・1998年)など、畳みかけるように、不倫ドラマが量産されていた時期はあった。バブル経済は崩壊しても日本はまだ世界第2位の経済大国で、女性の社会進出が加速していった当時の世相を表しているようにも思える。そんな不倫に寛容な(?)時代でも、1つのテレビ局で同日に立て続けに放送されることはなかったはずだ。

 さらに気になったのは、現在放送中の3作とも現役のアイドルたちが主演を務めていることだ。昔のように(当時)中堅どころの俳優が演じているのではない。そして各作品、不倫ドラマらしく、激しさはないけれどラブシーンがある。これは俳優として頭ひとつ抜けるための、トライアルなのかもしれない。そんな3作品のあらすじや、私なりに考える見どころを紹介したい。

『単身花日』主演・重岡大毅の「人の良さ」

 まずは毎週土曜23時から放送中のサスペンス『単身花日』。主演はWEST.のメンバーである重岡大毅。重岡演じる、桜木舜が単身赴任で地元に戻り、初恋の女性・武田花(新木優子)と再会。一般的にもよくある同級生パターンで、桜木が惹かれてしまう。花はただの恋愛感情ではなく、どこか常軌を逸した雰囲気を醸し出している。何かがおかしい。最終的に泥沼に突入する雰囲気だ。

 不倫3作品の中で、見応えがあるのはこの『単身花日』だ。昼ドラのようなトンチキな内容は否めないけれど、頻繁に連続ドラマに登場する主演の重岡の演技力は大きい。

『知らなくていいコト』(日本テレビ系・2020年)の、恋人への嫉妬に狂った役も良かったが、やはり彼のパブリックイメージと重なる、人柄のいい会社員の印象のほうが強い。『これは経費で落ちません!』(NHK総合・2019年)や『#家族募集します』(TBS系・2020年)がそれだ。

 今回の桜木も同じで、人の良さが仇になって妻以外の女性に恋愛感情を抱いている。ゆえにラブシーンの説得力が欠ける……というところ。彼の場合、不倫ドラマで俳優の階段を上るよりも“いい人路線”を進んでほしいというのが、ドラマオタクの希望だ。

関連記事

トピックス

『EXPO 2025 大阪・関西万博』のプロデューサーも務める小橋賢児さん
《人気絶頂で姿を消した俳優・小橋賢児の現在》「すべてが嘘のように感じて」“新聞配達”“彼女からの三行半”引きこもり生活でわかったこと
NEWSポストセブン
NEWS7から姿を消した川崎アナ
《局内結婚報道も》NHK“エース候補”女子アナが「ニュース7」から姿を消した真相「社内トラブルで心が折れた」夫婦揃って“番組降板”の理由
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【厳戒態勢】「組長がついた餅を我先に口に」「樽酒は愛知の有名蔵元」六代目山口組機関紙でわかった「ハイブランド餅つき」の全容
NEWSポストセブン
真美子夫人とデコピンが観戦するためか
大谷翔平、巨額契約に盛り込まれた「ドジャースタジアムのスイートルーム1室確保」の条件、真美子夫人とデコピンが観戦するためか
女性セブン
思い出の木
上皇ご夫妻が田母沢御用邸記念公園ご訪問 思い出の木を前に「ずいぶん伸びているね」とお話された上皇さまのお手をギュッと握られる美智子さま
女性セブン
東京都知事選への意気込みを語る立憲民主党の蓮舫参院議員(AFP=時事)
《都知事選出馬表明》蓮舫氏が多用する「相手を肯定してから一気に落とす」攻めパターン「小池さん、まぶしくてかっこよかったです。でも…」
NEWSポストセブン
「滝沢歌舞伎」でも9人での海外公演は叶わなかった
Snow Man、弾丸日程で“バルセロナ極秘集結”舞台裏 9人の強い直談判に応えてスケジュール調整、「新しい自分たちを見せたい」という決意
女性セブン
亡くなったシャニさん(本人のSNSより)
《黒ずんだネックレスが…》ハマスに連れ去られた22歳女性、両親のもとに戻ってきた「遺品」が発する“無言のメッセージ”
NEWSポストセブン
主犯の十枝内容疑者(左)共犯の市ノ渡容疑者(SNSより)
【青森密閉殺人】「いつも泣いている」被害者呼び出し役の女性共犯者は昼夜問わず子供4人のために働くシングルマザー「主犯と愛人関係ではありません」友人が明かす涙と後悔の日々
NEWSポストセブン
今シーズンから4人体制に
《ロコ・ソラーレの功労者メンバーが電撃脱退》五輪メダル獲得に貢献のカーリング娘がチームを去った背景
NEWSポストセブン
ハワイの別荘と合わせて、真美子夫人との愛の巣には約40億円を投資
【12億円新居購入】大谷翔平、“水原一平騒動”で予想外の引っ越し 日系コミュニティーと距離を置き“利便性より静けさ”を重視か
女性セブン
不倫疑惑に巻き込まれた星野源(『GQ』HPより)とNHK林田アナ
《星野源と新垣結衣が生声否定》「ネカフェ生活」林田理沙アナが巻き込まれた“不倫疑惑”にNHKが沈黙を続ける理由 炎上翌日に行われた“聞き取り調査”
NEWSポストセブン