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米ツアーシード権を逃した渋野日向子 完全復活のためには「来季は日本ツアーを主戦場に」の声

来シーズンはどうする?(Getty Images)

来シーズンはどうする?(Getty Images)

“スマイルシンデレラ”は笑顔でシーズンを終えられなかった。米女子ツアーに参戦していた渋野日向子(25)だが、ポイントランキングで83位に終わり、来シーズンのシード権を逃した。2019年の全英女子オープンを制した“シブコ”は復活を期す来シーズンをどう戦えばいいのか──。

 最終戦を終えた渋野はインスタグラムを更新し、「今シーズン一足先に終了しました」「1年間ずっと不甲斐ない結果が続き本当に悔しく、申し訳ない気持ちでいっぱいです」と投稿。そのうえで、「来シーズンをいい状態で迎えられるよう、オフシーズンも頑張ります」と心境を綴っている。

 米女子ツアーで来シーズンのシード権を得るには、年間ポイントランキングで80位以内に入らなければならなかった。81位という状況で最終戦に臨んだが、逆に順位を2つ落とした。今シーズンの渋野は米ツアーで23試合に出場し、予選落ちが6試合。最高成績は7位で、獲得賞金は26万3069ドルにとどまっている。

 今シーズンの開幕前にはスイング改造に着手したものの、4月に左手首を痛めると、一時期はベースボールグリップに変えるなど試行錯誤のなかでのラウンドが続いた。結果、日米のツアーで5月から7月にかけて5試合連続予選落ちをするなど調子が上がらなかった。来シーズンの見通しについて、ゴルフ担当記者はこう説明する。

「米女子ツアーはポイントランキング上位80位までが『カテゴリー1』として最優先で出場権を持ち、全35試合に出場することができる。ツアー出場には優先順位が20段階あり、ポイントランキング81~100位にあたる渋野は『カテゴリー11』という位置づけで、一定数の試合には出場可能です。

 昨年の83位の選手は今季20試合に出場しており、渋野も20試合前後の出場が可能になるでしょう。米国を主戦場にし続けるなら、出場した試合で成績を残して年3回あるリシャッフルで出場試合を1つでも増やすしかない」

「今の状態はもったいない」

 一方、米女子ツアーにこだわるのではなく、日本ツアーに復帰するという選択肢もある。今年は日本のメルセデスランク113位で50位以内に与えられるシード権を失っているが、2019年に公式戦を優勝したことによる3年シードの権利を持っている。「シードの開始年度は獲得年度から10年間のうちに選手が任意で選べるようになった。来年から3年シードという選択をすれば、日本ツアーで2026年までシードが与えられることになる」(前出・ゴルフ担当記者)わけだ。

 日本ツアーに復帰となれば、全英優勝時にコンビを組んだ青木翔コーチからの指導をより頻繁に受けられるようになる。一時はコンビを解消していたが、今年から復活。ただ、米ツアー転戦時は離ればなれで、数少ない日本ツアー出場時に会場で指導を受ける場面が見られたのみだ。プロゴルファーの沼沢聖一氏はこう指摘する。

「渋野に求められているのは、いいコーチをつけてスイングを変えることでしょう。青木翔コーチの指導がよくないという話ではなく、ひとりで海外ツアーを転戦していることで問題が生じているのだと思います。

 今シーズン初め、青木コーチから直接指導を受けていた時期は、改善の兆しが見られました。それがシーズン終盤は元に戻ってしまっていた。具体的にはスイングがフラット過ぎて、ダウンブローに打つことができない問題が発生している。結果、ボールが曲がるのでラフに入ることが増え、パーオン率も下がるし、グリーンに乗っても長い距離が残る。

 青木コーチから直接指導を受けていた時期はそうした問題が改善されかけていたが、中途半端な状態で米女子ツアーに行ってしまい問題が深刻になったのだと思います」

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