“ボディビルダー”というもう一つの顔を持つ、老舗かまぼこ店『伊勢兼商店』の女将・杉山瑞希さん
「ちょっとパンプアップしてもいいですか」──神奈川県・小田原駅から約1km離れた場所にある老舗かまぼこ店『伊勢兼商店』の女将・杉山瑞希(35)さん。そう言って、おもむろに上着を脱ぎ、社長であり夫の勇人(35)さんと向かい合い両手を握りあって、腕を繰り返し上下に動かしはじめた。額に浮かぶ汗、膨らむ上腕二頭筋、店先には“ちくわ柄のダンベル”が鎮座し、その横には杉山夫妻が立ち上げた「小田原筋肉協会」のトロフィーが燦然と輝く──。
1830年(天保元年)に創業し、まもなく200年を迎える『伊勢兼商店』の6代目女将として切り盛りする瑞希さん。一方、彼女には“ボディビルダー”というもう一つの顔があった。ちくわ片手に“筋肉美”を追求する瑞希さんの素顔に、NEWSポストセブンが迫った。【全3回の第1回】
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──今日は瑞希さんの腹筋を見にきました。
「すみません。実は今、大会4カ月前の増量期なのでとてもお見せできる身体ではないんですが、腕や脚なら見せられるので、エプロンだけでも脱ぎましょうか(笑)」
──ありがとうございます。それでも生で見ると、より筋肉やボディラインの美しさがわかりますね。ところで、増量期というのは何でしょうか。
「身体づくりは、筋肉量を増やす『増量期』と体脂肪を減らす『減量期』を繰り返し行うんです。私はもともと筋肉量が少ないので、とにかくたくさん食べることで筋肉を増やすしかありませんでした。まさに今はたくさん食べて、筋肉量も体脂肪も増やしている時期なんです」
──こんな細いスタイルなのに増量期?
「去年の大会出場前の増量期は、摂取カロリーをかなり上げて、そしたら10キロくらい増えちゃって、当時の写真はもう見たくない(笑)。そこから大会当日までに14キロぐらい減らしました。減量期の末期は皮1枚になるくらいゲソゲソになります」