「2年ほど前に妹さんと2人で引っ越してきました。お兄さんとは会ったら挨拶する程度でしたが、妹さんとは話したことがあって、『両親は他界したんです』と言っていました。半年前からお兄さんの姿を見なくなったので、どこに行ったのかと不思議に思っていました」
野本さんと男が姿を消した時期は一致する。取材の中で、男の一面も明らかになった。過去に男が住んでいたマンションの関係者が明かす。
「(男の)父親が亡くなったときに、マンションの今後の取り扱いにいてやり取りした人から聞きましたが、彼は好青年という感じではなかったそうです。駐車場のことで話した際、タメ語のような感じで口調も荒々しかったとか。また、亡くなった親が滞納していた公共料金を管理人さんが支払うよう求めたそうですが、いまも振り込みがないままだと聞きました」
亡くなった野本さんは周囲から慕われる優しい性格だったという。小学校と中学校をともに過ごした同級生が語る。
「いつも笑顔で元気な子でした。学級委員をつとめるようなリーダータイプではありませんでしたが、仲の良い友達のことを守る、優しい子でもありました。
私は小中と通っていた塾が同じだったのですが、そこでも学校で見せる姿と変わりませんでした。笑顔が絶えず、天真爛漫な子で、仲の良い子たちと楽しそうに遊ぶ姿が印象的でした」