国際情報

香港当局の民主化弾圧方針がさらに鮮明に 「香港の自由を取り戻せ」と書いたTシャツ着用の男性が逮捕

香港当局の取り締まりが強化

香港当局の取り締まりが強化

 香港では民主化活動家の周庭氏がカナダへの亡命を明らかにして波紋を広げているが、最近では「光復香港(香港の自由を取り戻せ)時代革命(いまこそ革命だ)」というスローガンが印刷されたTシャツを着ていた男性が逮捕されたり、昨年11月に中国で起こった民主化運動「白紙運動」を真似て、香港中心部の街頭で白紙を掲げて立っていた男性が逮捕されたりなど、一段と取り締まりが強化されている。香港各紙が報じた。

 このTシャツを着ていた男性は香港空港から出国するため、飛行機の搭乗口に向かっていたところ、空港で警備に当たっていた警察官に香港国家安全維持法違反の容疑で身柄を拘束された。

 その後、男性の所持品を検査したところ、カバンの中に香港独立を主張するビラや小冊子が入っていたことから、その場で逮捕された。

 警察発表によると、一般の旅客から「香港国際空港で扇動的な文言が書かれたシャツを着ている男がいる」と通報が寄せられたため、警察官が現場に急行し、職務質問したという。男性が「どんな服を着ようと個人の勝手だ」主張したので、取調室で所持品などを検査したところ、「自由香港」の旗などが出てきたので逮捕したとのことだ。

 香港政府は「今回の逮捕は香港国家安全維持法に定められている最高刑2 年の懲役刑が科せられる『扇動罪』にあたるケース」としている。

 また、11月下旬、香港島中心部の銅鑼湾(コーズウェイベイ)の「そごう百貨店(香港店)」前の街頭で、男性が約30分間、白い紙を両手に持ち黙って立っていたところ、見回りの警官が職務質問。男性は「中国で昨年起きた新型コロナウイルスの集団隔離に反対する『白紙運動』を見習って、ここで立っているのだ」と答えた。警官は「すぐ立ち去るように」と促したが、男性が「私は香港政府の高圧的な民主化弾圧に抗議する」と語ると、警官は男性を警察署に連行し、扇動罪で逮捕した。

 2020年6月の香港国会安全維持法施行後、香港では「難癖」とも言えるような容疑で民主活動家が逮捕されるケースが増えている。香港の警察官僚出身で、現在の香港トップの李家超行政長官は、周庭氏がカナダへの亡命を表明し「もう一生香港には戻らない」と発表したことに対して、「一生逃亡者として追われることになる」と怒りを露わにし、周氏が香港に戻れば逮捕する方針であることを明らかにするなど、民主化弾圧方針を鮮明にしている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

《悠仁さま成年式》雅子さまが魅せたオールホワイトコーデ、 夜はゴールドのセットアップ 愛子さまは可愛らしいペールピンクをチョイス
《悠仁さま成年式》雅子さまが魅せたオールホワイトコーデ、 夜はゴールドのセットアップ 愛子さまは可愛らしいペールピンクをチョイス
NEWSポストセブン
LUNA SEA・真矢
と元モー娘。・石黒彩(Instagramより)
《80歳になる金婚式までがんばってほしい》脳腫瘍公表のLUNA SEA・真矢へ愛妻・元モー娘。石黒彩の願い「妻へのプレゼントにウェディングドレスで銀婚式」
NEWSポストセブン
昨年10月の総裁選で石破首相と一騎打ちとなった高市早苗氏(時事通信フォト)
「高市早苗氏という“最後の切り札”を出すか、小泉進次郎氏で“延命”するか…」フィフィ氏が分析する総裁選の“ウラの争点”【石破茂首相が辞任表明】
NEWSポストセブン
万博で身につけた”天然うるし珠イヤリング“(2025年8月23日、撮影/JMPA)
《“佳子さま売れ”のなぜ?》2990円ニット、5500円イヤリング…プチプラで華やかに見せるファッションリーダーぶり
NEWSポストセブン
次の首相の後任はどうなるのか(時事通信フォト)
《自民党総裁有力候補に党内から不安》高市早苗氏は「右過ぎて参政党と連立なんてことも言い出しかねない」、小泉進次郎氏は「中身の薄さはいかんともしがたい」の評
NEWSポストセブン
阪神の中野拓夢(時事通信フォト)
《阪神優勝の立役者》選手会長・中野拓夢を献身的に支える“3歳年上のインスタグラマー妻”が貫く「徹底した配慮」
NEWSポストセブン
9年の濃厚な女優人生を駆け抜けた夏目雅子さん(撮影/田川清美)
《没後40年・夏目雅子さんを偲ぶ》永遠の「原石」として記憶に刻まれた女優 『瀬戸内少年野球団』での天真爛漫さは「技巧では決して表現できない境地」
週刊ポスト
朝比ライオさん
《マルチ2世家族の壮絶な実態》「母は姉の制服を切り刻み…」「包丁を手に『アンタを殺して私も死ぬ』と」京大合格も就職も母の“アップへの成果報告”に利用された
NEWSポストセブン
チームには多くの不安材料が
《大谷翔平のポストシーズンに不安材料》ドジャースで深刻な「セットアッパー&クローザー不足」、大谷をクローザーで起用するプランもあるか
週刊ポスト
ブリトニー・スピアーズ(時事通信フォト)
《ブリトニー・スピアーズの現在》“スケ感がスゴい”レオタード姿を公開…腰をくねらせ胸元をさすって踊る様子に「誰か助けてあげられないか?」とファンが心配 
NEWSポストセブン
政権の命運を握る存在に(時事通信フォト)
《岸田文雄・前首相の奸計》「加藤の乱」から学んだ倒閣運動 石破降ろしの汚れ役は旧安倍派や麻生派にやらせ、自らはキャスティングボートを握った
週刊ポスト
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《不倫報道で沈黙続ける北島康介》元ボーカル妻が過ごす「いつも通りの日常」SNSで垣間見えた“現在の夫婦関係”
NEWSポストセブン