D美:従順な患者のようで、実は丸投げという姿勢はこちらも手を抜きたくなりますよね。われわれはもちろん患者さんのために手を尽くしますけど、患者さんの体は患者さんのもの。自身の体や疾患について、もっと真摯に向き合ってほしい。医師の問う「どうしますか?」は、治療に臨む覚悟みたいなものを確認している面もあると思います。
A男:そういう“要注意患者”の情報って、うちやC夫さん、D美さんの病院みたいに、複数の医師が在籍する病院だと、いわゆる「ブラックリスト」として出回りませんか?
C夫:うちにはあります。さすがに「医師に治療を丸投げする」程度では載らないですが、暴言や入院時の生活態度など、ネット上の口コミも含めてあまりにもひどいと最終的には来院禁止の措置をとることもあります。ここ3年で20人近くは「出禁」になったかなぁ……。
D美:うちも同じような「要注意リスト」が存在します。ただ、相性が合わないくらいであればほかの先生がいる曜日に来院してもらえばいいので、そこまでひとりの患者さんに振り回されることはありません。その点、B子さんのように開業している先生は大変じゃないですか?
B子:確かにうちの場合「出禁」は無理かも(苦笑)。少し前、医師を逆恨みした殺人事件も起きていましたし……。ただ、歓迎しない患者の場合、本来ならば「次は○日後に来てください」などとこちらから声をかけて経過観察をすべきところを、あえて何も言わず、心の中で「お願いだから二度と来ないでください」と祈りながらお帰りいただくこともあります。
(第4回へ続く。第1回から読む)
※女性セブン2024年1月1日号