2024年4月から実施される「医師の働き方改革」によって急な対応が難しくなったり、患者ひとりに割く時間が少なくなったりする可能性は大いにある(写真/PIXTA)

2024年4月から実施される「医師の働き方改革」によって急な対応が難しくなったり、患者ひとりに割く時間が少なくなったりする可能性は大いにある(写真/PIXTA)

A男:この手の「話を聞かない患者」は本当に厄介。いくら根拠を示して治療法を説明しても聞く耳を持たずに、「態度が悪い」とか「知識が足りない」と怒り出す人も少なくないですし、こちらの話をまったく理解しようとせずにネットで得た情報をもとに毎回同じようなことばかり質問をする人もいる。

D美:ものすごくわかります。「妊娠したばかりで母体が安定するまでの間は、なるべく不特定多数の人が集まる場所には連れて行かないでください」と言っているのに「ディズニーランドに家族で行ってもいいですか」と聞いてきたり、あげくの果てには、「旅行をキャンセルすることになったらキャンセル料を払ってくれるんですか?」とまで言われました。

C夫:そういう人に限って、何かあると大きな声でクレームをつけたりするんですよね……(苦笑)。病院内にご自身やご家族の社会的地位を持ち込んで、自分は特別な存在だと偉そうに振る舞う患者さんもいますが、あれもこちらのモチベーションが著しく下がります。

D美:入院中に「売店で○○を買ってきて」と看護師をお手伝いさんのように扱ったり、ナースコールを鳴らしてすぐに対応できなかったらスタッフに怒鳴り散らして、「責任者を呼んで来い」「担当看護師を変えろ」と言ったり。どれも経験がありますが、必要最小限の治療以外は施したくなくなります。

A男:わかりやすい「モンスター患者」ではないけれど、ぼくが「この人は片手間になっちゃうな」と思うのは、正直でない人ですね。生活習慣病の患者さんで多いのが、食事制限など日常の注意事項を守っていないのに、「ちゃんと気をつけてます」と言い張る人。検査データを見れば明らかなのに「私はちゃんとやっているのに、おかしい」と、あたかも医師が悪いかのような言い方をする人すらいて、うんざりします。

 しかもそういう患者に限って薬さえのめば何とかなると思っていて、「もっと効く薬に変えてください」と言い出す始末。本人に本気で治す気がなければ、どんな治療も無意味だということを理解してほしいのですが……。

C夫:だけど「先生がいいと思う治療法ならなんでも従います」と言われるのも困りものです。特に生活習慣病は投薬をメインにするか、食事や運動で改善に持っていくか、選択肢が多いうえ、その人の症状や生活スタイルによって最適な方法が異なります。だからこちらとしては患者さんと話し合って“オーダーメード式”で伴走したいのに。

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