1998年に出資率をあげてトヨタ自動車がダイハツ工業を子会社化、2016年には全額出資し完全子会社化した。完全子会社化の記者会見で握手するトヨタ自動車の豊田章男社長(左)とダイハツ工業の三井正則社長(いずれも当時)(時事通信フォト)

1998年に出資率をあげてトヨタ自動車がダイハツ工業を子会社化、2016年には全額出資し完全子会社化した。完全子会社化の記者会見で握手するトヨタ自動車の豊田章男社長(左)とダイハツ工業の三井正則社長(いずれも当時)(時事通信フォト)

 ダイハツは1998年に子会社となってトヨタグループ入りしているが、長期的なブランドイメージとすれば、「ダイハツ存亡の危機」と言っても過言ではないと思う。

「トヨタの関係ですから安心していた面はあります。軽自動車もいまは高いですから、200万円とかしますからね。それなのにこれでは本当に困ります。ダイハツなんてあちこち走っているじゃないですか、たくさんのみなさんが困っていると思います」

 ダイハツは会見でその影響について経営面も含め「かなり大きな影響があると思う」と認めた。

 全車種出荷停止に追い込まれたダイハツ、420社以上とされる部品の取引先も、しばらくは仕事を失う可能性がある。ユーザーはもちろんディーラー、下請けなどの取引先企業、それらに携わる正規、非正規問わずの労働者すべてに「ダイハツ本体に裏切られた」と言われても仕方がない。

 第三者委員会は報告書の中で、「本件問題でまずもって責められるべきは、不正行為を行った現場の従業員ではなく、ダイハツの経営幹部である」と断じている。

 同じく都内の40代男性(家族3人)も「本当に不安だし、困る」と話す。彼の車種はダイハツでなくトヨタのOEM、ダイハツは他社にも供給してきた。

「中身がダイハツというのはわかっていました。でもまあ、トヨタエンブレムのほうがいいかな、その程度です。それでもやっぱり、バックがトヨタというのは決め手でした」

 不正が判明した車種ということで、それは不安だろう。多くのユーザーも同じように不安を感じるのも当然である。以下に現在ダイハツ側から公表された不正が判明した車種を書き出す(生産終了車種含む、開発中は除く)。

●ダイハツ
タント、タフト、ロッキー、ミラ(イース、トコット)、ムーヴ(キャンパス、コンテ)、コペン、ハイゼット(カーゴ、トラック)、アトレー、グランマックス、トール、ブーン、アプローズ

●トヨタ
ライズ、ルーミー、タンク、コペン、ピクシス(エポック、バン、トラック、ジョイ、スペース)、タウンエース、ライトエース、プロボックス、サクシード、パッソ、iQ

●スバル
シフォン、レックス、プレオプラス、ジャスティ、サンバー(バン、トラック)、ステラ

●マツダ
ボンゴ、ファミリアバン

 あくまで参考であり、所有する車種名と合致しても生産時期や発売時期にもよるので詳しくはダイハツが公式HPで公開している「一覧」や専用問い合わせ窓口、ディーラー等の各自の販売担当者に確認して欲しい。また海外販売車種やリストに挙がっていない旧モデル含め、今後も増える可能性もあるため注意が必要だ。

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