スポーツ

【第100回箱根駅伝】青学・原晋監督がレース展開を予測「駒澤大に対抗できるのはウチだけ」 5区では4代目“山の神”も誕生するか

記念すべき第100回大会の注目ポイントは?(時事通信フォト)

記念すべき第100回大会の注目ポイントは?(時事通信フォト)

 2024年の箱根駅伝は記念すべき第100回大会。事前の予想では駒澤大学一強と言われているが、青山学院大学はその牙城を崩せるか? 名門・青学の原晋・監督(56)がレース展開を予想する。【前後編の後編。前編を読む

 * * *
 熾烈な展開が予想される箱根駅伝。“名将”と讃えられる原監督が名指しした注目選手がいる。

「創価大は5区の山上りで出雲、全日本で区間賞の3年・吉田響の出走が濃厚。彼は5区の前回大会区間記録(1時間10分4秒)を大きく上回る1時間8分台も狙えそうですし、4代目“山の神”になる可能性がある。2区には留学生もいますし、展開次第で往路は創価大が優勝しても不思議じゃない。

 最多優勝の中央大にはスピードのある吉居大和・駿恭兄弟がいますが、今年は成績が振るっていないので特別警戒することはないかな。ただ総合力で見れば、やはり駒澤大に対抗できるのはウチだけだと思っています」

 前回大会、青山学院大は山上りの5区(区間9位)、および山下りの6区(区間20位)で駒澤大に遅れを取ったことが響いた。

「平地では1区間で1分も2分も差がつかないですが、山上りと山下りでは区間賞から区間最下位の差が5分、場合によっては10分近くつくことも。リズムを掴めないと一気にブレーキがかかります。前回ウチは失敗しましたが、逆にそこを乗り切れば駒澤大とも勝負できるはず。ただ、駒澤大にも前回経験したスペシャリストがいるので大崩れは期待できそうにないですけどね(苦笑)」

 青山学院大は前回、10区間中7区間で4年生が走り、上級生が抜けた穴は他大学よりも大きいといわれている。

「学生スポーツでは選手が入れ替わるのが常。プラスもあれば、マイナスもあります。今季もこれまで通り青学メソッドにそって、春はスピードを強化し、夏合宿では走り込み、質、量ともに昨年より上げてきました。部員44人の5000mの平均タイムは14分00秒で、10000mを含め平均タイムは軒並み過去最高。選手が入れ替わるなかでも成長を続けているのがウチの強さです」

 青山学院大の新エースと評判なのは2年・黒田朝日。今季は急成長し、駅伝デビューとなった出雲2区で駒澤大のエース佐藤と区間賞を分け合い、全日本2区でも佐藤に8秒の差でくらいつき、2位と好走した。また、前回は4区で区間2位の走りを見せた3年・太田蒼生も健在だ。

「黒田と太田に加え、3年連続で箱根に出場している4年の佐藤一世がウチの3本柱です。黒田はトラックの持ちタイム以上にロードで強い青山学院大の新・駅伝男。彼らを前半から投入し、駒澤大に先行するのが難しくても、あわよくば30秒以内の差を保ちチャンスを窺いたい。秘策? そんなものはないし、これまで通り王道でやるだけ。ポイントはやはり山区間。そこをしっかりカバーできているか注目してください」

(了。前編から読む

取材/上田千春

※週刊ポスト2024年1月1・5日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン
左から広陵高校の34歳新監督・松本氏と新部長・瀧口氏
《広陵高校・暴力問題》謹慎処分のコーチに加え「残りのコーチ2人も退任」していた 中井監督、部長も退任で野球経験のある指導者は「34歳新監督のみ」 160人の部員を指導できるのか
NEWSポストセブン
松本智津夫・元死刑囚(時事通信フォト)
【オウム後継「アレフ」全国に30の拠点が…】松本智津夫・元死刑囚「二男音声」で話題 公安が警戒する「オウム真理教の施設」 関東だけで10以上が存在
NEWSポストセブン
二刀流復帰は家族のサポートなしにはあり得なかった(getty image/共同通信)
《プールサイドで日向ぼっこ…真美子さんとの幸せ時間》大谷翔平を支える“お店クオリティの料理” 二刀流復帰後に変化した家事の比重…屋外テラスで過ごすLAの夏
NEWSポストセブン
9月1日、定例議会で不信任案が議決された(共同通信)
「まあね、ソーラーだけじゃなく色々あるんですよ…」敵だらけの田久保・伊東市長の支援者らが匂わせる“反撃の一手”《”10年恋人“が意味深発言》
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
8月に離婚を発表した加藤ローサとサッカー元日本代表の松井大輔さん
《“夫がアスリート”夫婦の明暗》日に日に高まる離婚発表・加藤ローサへの支持 “田中将大&里田まい”“長友佑都&平愛梨”など安泰組の秘訣は「妻の明るさ」 
女性セブン
経済同友会の定例会見でサプリ購入を巡り警察の捜査を受けたことに関し、頭を下げる同会の新浪剛史代表幹事。9月3日(時事通信フォト)
《苦しい弁明》“違法薬物疑惑”のサントリー元会長・新浪剛史氏 臨床心理士が注目した会見での表情と“権威バイアス”
NEWSポストセブン
海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン