安倍事務所側でも、特捜部が前夜祭パーティーの捜査に着手すると、ホテルから受け取っていた領収証を廃棄していたことが明らかになっている。
森友学園問題では、財務省が国有地払い下げに至る経緯や安倍昭恵夫人の関与などを記した文書を改竄し、改竄を命じられた財務省職員が自殺する犠牲まで出した。しかし、これまで安倍氏自身の責任は問われていない。
今回、安倍派幹部たちは特捜部の聴取に、キックバックは「会長案件だった」と供述しているとも報じられたが、既に亡くなった安倍氏は今回の捜査の対象外とされる。安倍政治の「黒い体質」まで含めてメスを入れ、再評価しない限り、自民党の金権政治の裏にある構造を改めることなどできないはずだ。
(了。前編から読む)
※週刊ポスト2024年1月26日号