国内

【安倍派裏金問題】「桜を見る会」前夜祭パーティー問題での安倍元首相の手法と同じ 「バレなければいい」という体質が蔓延

前夜祭パーティーの収支不記載が事件化した「桜を見る会」(時事通信フォト)

前夜祭パーティーの収支不記載が事件化した「桜を見る会」(時事通信フォト)

 いよいよ議員逮捕にまで発展した安倍派の裏金問題。「安倍晋三・元首相はこの裏金の一件を知った時に激怒して改善を促した」──というのが今、各所で報じられている流れだ。過去を振り返ると、桜を見る会でも森友・加計問題でも、安倍氏が関わってきた問題はおしなべて、「安倍さんは知らなかった」と“免罪”された。この構造にこそ疑惑の「本丸」が隠れている。【前後編の後編。前編から読む

報告していないはずがない

 安倍派の裏金づくりは、派閥パーティーの議員へのキックバック分の収入や支出を「政治資金収支報告書」に記載しないという手法だった。

 これは安倍氏自らが用いてきた手段だった。政権を揺るがした「桜を見る会」前夜祭パーティー問題がまさにそうだ。

 安倍氏は首相時代(2013?2019年)、各界の代表者など約1万人を招待して新宿御苑で「桜を見る会」を開き、その前日に都内の高級ホテルで地元から招待した後援者を集めた政治団体「安倍晋三後援会」主催の前夜祭パーティーを開いていた。会費は5000円で、約850人が参加していた。

 ところが、同後援会の政治資金収支報告書にはこのパーティーの開催も、収支も一切記載していなかった。これが問題化し、国会は大紛糾した。

 安倍氏は首相在任中、「すべての費用は参加者の自己負担で支払われている。安倍晋三後援会としての収入・支出は一切ない」として、報告書に記載する必要はなかったという説明で押し通した。

 それが、安倍氏の首相退任後の2020年12月に東京地検特捜部が捜査に乗り出し、事務所側がパーティー費用を補填していたことなどが発覚。安倍氏の当時の公設第一秘書(安倍晋三後援会代表)が政治資金規正法違反(不記載罪)で略式起訴され、100万円の罰金の略式命令を受けた。安倍氏自身も特捜部に事情聴取されたが、「嫌疑不十分」で不起訴処分となった。

「私が知らないなかで行なわれていたこととはいえ、道義的責任を痛感しております」

 安倍氏はそう謝罪したが、前出の元安倍事務所関係者は、「安倍先生は『自分は知らなかった』と説明していますが、金庫番だった第一秘書がパーティー収支を報告していないはずがありません」と振り返る。

関連キーワード

関連記事

トピックス

中村佳敬容疑者が寵愛していた元社員の秋元宙美(左)、佐武敬子(中央)。同じく社員の鍵井チエ(右)
100億円集金の裏で超エリート保険マンを「神」と崇めた女性幹部2人は「タワマンあてがわれた愛人」警視庁が無登録営業で逮捕 有名企業会長も落ちた「胸を露出し体をすり寄せ……」“夜の営業”手法
NEWSポストセブン
愛子さま、初の単独公務は『源氏物語』の特別展 「造詣が深く鋭い質問もありドキっとしました」と担当者も驚き
愛子さま、初の単独公務は『源氏物語』の特別展 「造詣が深く鋭い質問もありドキっとしました」と担当者も驚き
女性セブン
“くわまん”こと桑野信義さん
《大腸がん闘病の桑野信義》「なんでケツの穴を他人に診せなきゃいけないんだ!」戻れぬ3年前の後悔「もっと生きたい」
NEWSポストセブン
中森明菜
中森明菜、6年半の沈黙を破るファンイベントは「1公演7万8430円」 会場として有力視されるジャズクラブは近藤真彦と因縁
女性セブン
食品偽装が告発された周富輝氏
『料理の鉄人』で名を馳せた中華料理店で10年以上にわたる食品偽装が発覚「蟹の玉子」には鶏卵を使い「うづらの挽肉」は豚肉を代用……元従業員が告発した調理場の実態
NEWSポストセブン
報道陣の問いかけには無言を貫いた水原被告(時事通信フォト)
《2021年に悪事が集中》水原一平「大谷翔平が大幅昇給したタイミングで“闇堕ち”」の新疑惑 エンゼルス入団当初から狙っていた「相棒のドル箱口座」
NEWSポストセブン
昨年9月にはマスクを外した素顔を公開
【恩讐を越えて…】KEIKO、裏切りを重ねた元夫・小室哲哉にラジオで突然の“ラブコール” globe再始動に膨らむ期待
女性セブン
稽古まわし姿で土俵に上がる宮城野親方(時事通信フォト)
尾車親方の“電撃退職”で“元横綱・白鵬”宮城野親方の早期復帰が浮上 稽古まわし姿で土俵に立ち続けるその心中は
週刊ポスト
大谷翔平の妻・真美子さんの役目とは
《大谷翔平の巨額通帳管理》重大任務が託されるのは真美子夫人か 日本人メジャーリーガーでは“妻が管理”のケースが多数
女性セブン
17歳差婚を発表した高橋(左、共同通信)と飯豊(右、本人instagramより)
《17歳差婚の決め手》高橋一生「浪費癖ある母親」「複雑な家庭環境」乗り越え惹かれた飯豊まりえの「自分軸の生き方」
NEWSポストセブン
店を出て染谷と話し込む山崎
【映画『陰陽師0』打ち上げ】山崎賢人、染谷将太、奈緒らが西麻布の韓国料理店に集結 染谷の妻・菊地凛子も同席
女性セブン
殺人未遂の現行犯で逮捕された和久井学容疑者
【新宿タワマン刺殺】ストーカー・和久井学容疑者は 25歳被害女性の「ライブ配信」を監視していたのか
週刊ポスト