ソフトバンクへFA移籍した山川穂高(2023年12月19日。時事通信フォト)
2017年からは4年連続日本一に輝いたが、頂点の座を逃すようになって3年──。球団の舵取りはちぐはぐにも見える。救援陣を長年支えていた森唯斗、嘉弥真新也が今オフに戦力構想から外れて退団。その一方で、今オフに山川をFAで獲得。昨年5月に知人女性に対する強制わいせつ致傷の疑いが発覚し、8月には嫌疑不十分で不起訴処分となったが、西武から一、二軍の公式戦出場停止処分が科せられていた。
故障者特例措置で取得したFA権を行使し、ソフトバンクが獲得に踏み切った際は批判の声が殺到する事態に。その山川の人的補償で「チームの顔」である和田がプロテクト枠から外れていたというニュースは、あまりにも衝撃が大きかった。
ソフトバンクの選手はチームの内情について「『このチームは本気で勝つ気がない』といった声さえ聞こえています。フロントがテレビゲームをやっているような感覚で選手を扱っているふうに見えるのでしょう。和田さんや甲斐野への扱いを考えれば、モチベーションが上がらないのも仕方がないことかもしれません」と声を震わせながら語った。
3年連続V逸から常勝軍団復権を目指すが、その道は険しい。ソフトバンクが空中分解の危機に瀕している。