なにげなくタップしたSNSの「いいね」などから評価が変わってしまうことも(イメージ、AFP=時事)

なにげなくタップしたSNSの「いいね」などから評価が変わってしまうことも(イメージ、AFP=時事)

「お金配りアカウント以外にも、コンビニアカウントの”30円割引”みたいな投稿もたくさんリツイートしていて、まあよく言えば節約家なのかもしれませんけど、ケチ臭く見えて、それを臆面もなく私に見せるのかと気持ちがしぼみました。結局、年末に別れてしまいました」(福田さん)

FB上でアプリに「いいね」したことから発覚

 普段見せる表の顔と、SNSに垣間見える「真実の顔」。演じることが仕事でないなら、どちらも本当の顔なのだろう。多重人格でなくとも、場所と状況によって人間は言動が変わるモノだからだ。もちろん、SNS上でもかっこいい・かわいい投稿を心がけ、そこにギャップがないよう演出しようと努める人もいるだろう。だが、本人も忘れていたようなSNS上の「いいね」には、無意識の本音が漏れているのではと疑ってしまうもの。中には、SNS上の何気ない「いいね」をきっかけに、身を持ち崩してしまう人もいる。都内在住のアパレル販売店店員・佐々木未来さん(仮名・20代)が、苦い過去を振り返る。

「既婚者ですが憧れの会社の上司がいたんです。上司は、Facebookで情報を出しすぎるのはリテラシーが低いといって、プロフ写真と出身地、あとは僅かな投稿しか表示させていませんでした。どこに行ったとか、美味しいものを食べたとかの投稿もあるのですが、その内容も洗練されていて、さすがだなあと、あの当時は思っていました」(佐々木さん)

 Facebook(以下FB)は、自身の投稿や友達の一覧を公開する範囲を全体、友達向けなど設定することが可能だ。一見すると、上司のFBは友達一覧も非公開で、ほとんど情報がないように見えた。怪しい女性などの影は見当たらず、場と立場をわきまえているのだと思われた。しかしある時、FB上のとあるアプリに「いいね」をしているのを見つけてしまったのだ。

「上司が”いいね”したFBページの一覧が閲覧できることに気が付き、なんとなく眺めていました。主に好きなサッカーチームのコミュニティや行きつけの飲食店のページにいいねしていたようですが、その中に”Omiai”というのがあったんです。なんだろうと思って見てみると、FBのマッチング機能でした」(佐々木さん)

 この「Omiai」とは、FBを活用することで2012年にサービスを開始したマッチングアプリで、FBに登録をしていれば誰でも簡単に利用できたこともあり、出会いを求める多くの男女に利用されている。いいね、を押せば即利用でき、煩雑な登録作業も必要なく、純粋に出会いを求める人たちのためにはとても便利な機能だ。その一方、いいねするだけの手軽さもあってか、既婚者やパートナーがいる人たちがこっそり登録する例も相次いでいた。この上司も、既婚者でありながらOmiaiに登録し女性を物色していたことがうかがわれ、佐々木さんは愕然とした。

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