素敵な人と出会いたいが、「マッチングアプリは騙されそうで怖い」──そう思う人は多いはずだ。だが登録しているのが、自分の同世代の人だけならどうだろうか?急増中の「中高年専用アプリ」のスマートで安全な活用法を探る。
目次
監修・取材
・マッチングアプリ大学編集長 白崎萌氏
・株式会社ソーシャルサービス 代表取締役 白形知津江氏
50代以上の男女にアンケート調査。「使ってよかった」が約8割
年齢を問わず異性との新たな出会いや交流の手段として近年台頭しているのが「マッチングアプリ」だ。婚活・恋活を特集するメディア「マッチングアプリ大学」編集長の白崎萌氏が語る。
「中高年以降の出会いも、今はマッチングアプリが主流になりつつあります。弊社が行なった50代以上の男女130人へのアンケート調査によれば、アプリを使ったことがある人は約20%。そのうち、約8割の人が『使ってよかった』と答えています。騙されないか心配だという人は多いですが、そんな声に応えるべく、近年登場しているのが『利用者の年齢を絞ったマッチングアプリ』です」
騙されないか心配な50代以上におすすめのマッチングアプリ
無数のマッチングアプリのなかで、対象者の年齢を「男女とも50歳以上」に限定しているのが、22年に誕生した「R50Time」だ。
アプリを運営しているソーシャルサービスの代表取締役・白形知津江氏が開発意図を語る。
「もともと弊社はシニア向けの会員誌を制作する会社で、2022年まで9年間、シニアのライフスタイル誌を発行していました。20年以降はコロナ禍で人との出会いも少なく、スマホの利用率も上がってきたことからアプリの開発に舵を切ったのです」
なぜ年齢を50歳以上に制限したのか。
「年齢制限のないアプリはどうしても若い人にオファーが集まりがちで、利用者の方から『マッチできない』という声がありました。またトラブルから男性を守る意味でも、年齢を制限しました。ジェネレーションギャップを感じることもなく、人生の経験を尊重し合える関係を築けると思います」(白形氏)
同社では、ユーチューブ上の『R50恋愛教室』という講座や漫画などを用いてアプリの活用法やメッセージの書き方などを解説するほか、チャットでの相談窓口も設置し、マッチングアプリに不慣れな利用者へのサポートにも力を入れている。
「利用者は茶飲み友達から恋人、結婚相手を探す人まで様々です。アプリをダウンロードする際に既婚・未婚を記入する欄があり、利用目的も選択できるようになっているので、目的が合致する人同士でやりとりをしていただけます」(同前)
マッチングしやすいプロフィール登録方法と会話のマナー
大事なのは、目当ての相手とマッチングするためのコツを掴むことだ。アプリを使う上での最初のステップは、「プロフィールの設定」である。
「登録する写真やプロフィールがマッチング率に直結します。写真は顔全体がわかるもの、全身が写っているものなど、複数枚を登録しましょう。自撮りより他人に撮ってもらった笑顔のほうが自然な表情になります。写真館などに行ってプロのカメラマンに撮ってもらう人もいらっしゃいます。
R50の場合、やはりパートナーの有無を気にする人が多いので、家族の存在はもちろん、仕事や趣味、最初のデートの形などを明記しておくとマッチしやすくなります。一度目のデートは『ランチのみ』のほうが、実際に出会うハードルは下がります」(白形氏)
アプリ上でも、社会人としてのマナーは必要だ。
「最初のメッセージは基本的に敬語が望ましい。使い始めのうちに注意したいのは、『いいね』を押されたからといって『俺に気がある』と思い込むのは危険だということです。『いいね』はハートマークなので勘違いしがちですが、軽い挨拶のようなものだと心得ましょう。先走って前のめりになると女性は引いてしまいます」(同前)
6人と出会った67歳男性の必勝法は?アプリ選びの注意
一般企業の課長であるYさん(67、独身)は、アプリで6人の女性と出会った。アプリ利用のコツについてこう語る。
「趣味の話などで盛り上げて数回やり取りした後に、『会いませんか』と提案すると成功率が高い。実際に会えたら、僕の場合は自分から『LINE交換しましょう』とは言わず、相手から聞いてくるのを待ちます。もし聞かれなくても、変わらずアプリでやりとりすればいいんです。
また、頑なに会う店を指定したり、『お会いする条件は“いくつ”ですか?』と聞いてくる女性には気を付けましょう。いくつとは金額を意味します。こういった女性は“パパ活”が目的で、会っただけで金銭を要求されたことがありました」
利用者の年齢を絞ったアプリは、「R50Time」以外にも多数ある。アプリを選ぶ際に注意したいのは、個人情報の漏洩やロマンス詐欺だ。前出の白崎氏が語る。
「アプリを通じてロマンス詐欺などのトラブルに遭う人の多くは中高年男性です。怪しいアプリに引っかからないために、『企業が運営している』『男性が利用するためには月額固定の課金が必要』なアプリを使うほうが安心です。完全無料を謳うアプリには、結婚詐欺などの詐欺師が入り込みやすい。アプリのホームページで運営元などを確認しておきましょう」
活用できれば新たな出会いが実現するかもしれない。
【図解】マッチングアプリの「始め方」「使い方」
【図解】実際に6人と出会った67歳男性のアプリ攻略法
※週刊ポスト2024年1月26日号