関脇の琴ノ若は13日目こそ照ノ富士に敗れたが、14日目には霧島を撃破。一方、13日目の霧島との取組で珍手「二枚蹴り」に敗れた豊昇龍は、右膝を痛めて翌日から休場となり、14日目の照ノ富士に不戦勝の白星を献上することとなった。この休場に伴い、琴ノ若の千秋楽の対戦相手が豊昇龍ではなく平幕の翔猿になるなど、12日目終了時点では予想もつかない展開の連続となった。前出の元親方が続ける。
「琴ノ若が14日目に霧島を破り、千秋楽は結びの前の一番で翔猿を下した。こういう展開になれば、仮に板井さんが生きていたってどうしようもない。早々に霧島の横綱昇進の可能性が消えてしまうわけですから。モンゴル出身の横綱が最上位を占め、優勝を独占するような時代がまたやってくるのかとも思っていましたが、そうはならなそう。優勝決定戦では照ノ富士が琴ノ若を力でねじ伏せて復活優勝。ガチンコ相撲のワクワク感、ドキドキ感が満喫できた最高の千秋楽となった。ガチンコに勝る土俵はないと思った」
来場所は1横綱4大関の番付となるが、最高の盛り上がりとなる土俵が続くことになりそうだ。