芸能

【高田文夫氏、ナイツ塙氏、神保喜利彦氏が語る東京漫才】漫才協会初代会長は落語家出身、演芸界のドンは国会議員だった草創期

(左から)芸能研究家の神保喜利彦氏、高田文夫氏、ナイツ・塙宣之氏が語り合う(撮影/国府田利光)

(左から)芸能研究家の神保喜利彦氏、高田文夫氏、ナイツ・塙宣之氏が語り合う(撮影/国府田利光)

 都内に雪が降り積もった2月某日。「東京漫才について語ろう」という漫才協会外部理事である高田文夫氏の呼び掛けに、第七代漫才協会会長のナイツ・塙宣之氏と芸能研究家の神保喜利彦氏が応じた。戦前から活躍したリーガル千太・万吉による今の漫才協会設立から、タレント国会議員のはしりだったコロムビア・トップ・ライトの時代までを語り合った。【全3回の第1回】

 * * *
高田:二人でやる漫才が東京に入ってきたのは、大正の終わりぐらいからだよな。最初に人気だったのはやっぱりリーガル千太・万吉だね。

神保:戦前から活躍していて、昭和30年に結成された漫才研究会、今の漫才協会の初代会長です。

高田:「やきとり」ってネタなんて、今見てもいい芸なんだよ。

塙:今の漫才協会会長の私は、この二人をよく知りません。

神保:コントではない純粋なしゃべくり漫才です。関西の花菱アチャコ、横山エンタツが完成させ、関東ではこの二人が確立させました。

高田:おぎやはぎが2002年にM-1に出たときに審査員の立川談志が「うーん、君たちの芸は千太・万吉だね」って。

塙:ああ、言ったかも……。

高田:間のとり方がよくて、ふっと笑わせていくのよ。

神保:この二人はもともと落語家なんです。

塙:なるほど、だから間が……。

高田:お客さんにとっては背広で立ち話をするって、新鮮だったんだろうね。それまでの漫才は鼓とか三味線を持って着物姿でやっていた。塙君の師匠が正統派だよね。

塙:ああ、内海桂子師匠!

高田:昔はつけっぱなしのラジオから、浪曲と漫才と落語が流れてたんだよ。それで、おふくろが、「千太・万吉は面白いね」って言ったのを覚えてる。

関連記事

トピックス

炊き出しボランティアのほとんどは、真面目な運営なのだが……(写真提供/イメージマート)
「昔はやんちゃだった」グループによる炊き出しボランティアに紛れ込む”不届きな輩たち” 一部で強引な資金調達を行う者や貧困ビジネスに誘うリクルーターも
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
小室眞子さん“暴露や私生活の切り売りをビジネスにしない”質素な生活に米メディアが注目 親の威光に頼らず自分の道を進む姿が称賛される
女性セブン
組織改革を進める六代目山口組で最高幹部が急逝した(司忍組長。時事通信フォト)
【六代目山口組最高幹部が急逝】司忍組長がサングラスを外し厳しい表情で…暴排条例下で開かれた「厳戒態勢葬儀の全容」
NEWSポストセブン
藤浪晋太郎(左)に目をつけたのはDeNAの南場智子球団オーナー(時事通信フォト)
《藤浪晋太郎の“復活計画”が進行中》獲得決めたDeNAの南場智子球団オーナーの“勝算” DeNAのトレーニング施設『DOCK』で「科学的に再生させる方針」
週刊ポスト
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン
「漫才&コント 二刀流No.1決定戦」と題したお笑い賞レース『ダブルインパクト』(番組公式HPより)
夏のお笑い賞レースがついに開催!漫才・コントの二刀流『ダブルインパクト』への期待と不安、“漫才とコントの境界線問題”は?
NEWSポストセブン
パリの歴史ある森で衝撃的な光景に遭遇した__
《パリ「ブローニュの森」の非合法売買春の実態》「この森には危険がたくさんある」南米出身のエレナ(仮名)が明かす安すぎる値段「オーラルは20ユーロ(約3400円)」
NEWSポストセブン
韓国・李在明大統領の黒い交際疑惑(時事通信フォト)
「市長の執務室で机に土足の足を乗せてふんぞり返る男性と…」韓国・李在明大統領“マフィアと交際”疑惑のツーショットが拡散 蜜月を示す複数の情報も
週刊ポスト
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
高校時代にレイプ被害で自主退学に追い込まれ…過去の交際男性から「顔は好きじゃない」中核派“謎の美女”が明かす人生の転換点
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《死刑執行》座間9人殺害の白石死刑囚が語っていた「殺害せずに解放した女性」のこと 判断基準にしていたのは「金を得るための恐怖のフローチャート」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
《小室圭さんの赤ちゃん片手抱っこが話題》眞子さんとの第1子は“生後3か月未満”か 生育環境で身についたイクメンの極意「できるほうがやればいい」
NEWSポストセブン
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
【独占インタビュー】お嬢様学校出身、同性愛、整形400万円…過激デモに出没する中核派“謎の美女”ニノミヤさん(21)が明かす半生「若い女性を虐げる社会を変えるには政治しかない」
NEWSポストセブン