結婚を公表した翌日、囲み取材に応じた大リーグエンゼルスの大谷翔平選手(29才)。このとき、普段の囲み取材では見せない気になる仕草を見せていた。その心理的な意味について臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが分析する。
* * *
米メジャーリーグ・ドジャースの大谷翔平選手が突然、結婚を発表。おめでたい話題にネットもメディアも騒然となった。発表の翌日、キャンプ地の米アリゾナ州グランデールでは練習前に囲み会見が行われ、朝の情報番組は大谷選手の話題一色。その会見の様子から、大谷選手の心の内を勝手ながら覗き見てみたい。
会見に表れた大谷選手の表情はいつもと変わらなかった。日本で会見が行われたなら、芸能記者あたりがわんさか押し寄せたのだろうが、マイクを向けていたのは顔なじみのスポーツ記者たち。最初の質問はやはりコンディションなどについてだ。右手で右耳の上を触りながら、淡々と調子について答えていく大谷選手。
ところが話題が結婚になると、水原一平氏の通訳を聞きながら右手で右の耳元を軽くかいた。大谷選手はさらに右手で首元をマッサージするように手を当て、撫でていく。これらの仕草は不快や不安の時によくみられるといわれ、マイナス感情をなだめるものだ。大谷選手はもともと家族を守ろうという意識が強く、家族に関する取材はNGという暗黙のルールがあると聞く。今回も「両親族を含め無許可での取材等はお控えいただきますよう」と呼び掛けている。野球については話すが、プライベートについては見せないというスタンスだ。それだけに結婚やお相手について話すことに抵抗があったのだと思う。
この会見で彼が見せたボディランゲージには、いくつかの特徴があった。話がお相手との交際について聞かれた際のことだ。知り合ってどれくらいという質問に、「正確にはわからない」と言いながら右手で右の耳元をかいた。交際期間についても、「どれくらいなんですかね。初めて会ったのが3~4年前なので」と答えながら右の耳元をかく。この会見では、話したくない過去について聞かれると右の耳元をかくようだ。彼のクセかもしれないが、クセは気持ちが落ち着かない時や感情が揺れる時などに出やすくなるといわれる。
大谷選手の愛犬“デコピン”を飼ったのは結婚の影響があったのかと聞かれた時は、「ぼやっと考えていたが、そこまで必ずという感じではない」と答えたが、「手術した時もずっと一人だったので、一人で見ていた」と、ここでも右の耳元をかいた。リハビリ時のことも、おそらく触れたくなかったのだろう。