メンバーらが立ち向かう「背水の陣」
他のメンバーも決勝まで行けなかったことに落胆していたが、敗退直後には、2月15〜18日にかけてスウェーデンで行われた『SUN CITY CUP』へのエントリーを即決。
その理由は、世界ランキングのポイント獲得にあった。今年の日本カーリング選手権大会から2026年「ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪」の選考がスタート。今回の大会では敗退したロコ・ソラーレだが、2025年の同大会で優勝、もしくは2025年日本カーリング選手権直前のWCFチームランキング最上位かつ、2025年の同大会で3位以内を満たせば、代表決定戦の出場権を獲得できるのだ。
5月下旬からはシーズンオフとなるが、鈴木夕湖(セカンド)、吉田夕梨花(リード)、石崎琴美(フィフス)は、マラソンや登山、サイクリングなど、カーリング以外のアクティビティを楽しむことが毎年の通例となっており、頭をリフレッシュされる時間に使う。そして吉田知那美(サード)は既婚者ということもあり、主婦をしながらトレーニングなどを行いシーズンインに備える予定だ。
大一番で、まさかの4位という結果に終わってしまったロコ・ソラーレだが、既に“次”に目を向けているメンバーたち。代表ではなくなり肩の荷が下りたことで、彼女たちのプレッシャーは確実に軽くなった。2026年の五輪出場に向けては、様々なことを乗り越えなければいけないが、ピンチの時こそ本領を発揮してきた彼女たち。
まだ獲得できていない五輪での金メダルを目指して邁進していくだろう。
◆取材・文 安藤ヒロ(あんどう・ひろ)/スポーツ週刊誌・月刊誌を経て、現在ライターとして活動。野球、サッカー、ゴルフに加えてスポーツ全般を精力的に取材している。