三浦佳生(写真/アフロスポーツ)

三浦佳生(写真/アフロスポーツ)

若手の三浦は「進撃の巨人」テーマ曲で舞う 

 今季世界2位の点数を叩き出して絶好調の鍵山優真についても、4回転ジャンプの本数には注目していないという。 

「フィギュアスケートは4回転を跳べば良いというものじゃないんです。彼は今季前半、4回転は2種類(トウループ、サルコウ)でしたが、GOE(出来栄え)の加点がすごく付きました。フィギュアスケートの大切なところを押さえている選手です」 

 鍵山は、コーチを務める父・正和に加え、新たにイタリアのカロリーナ・コストナーを迎えた。 

「今季、何度かレッスンをお見かけしましたが、とても楽しそうでした。カロリーナは、私と同じ世代で戦ってきたスケーター。彼女のエッジワークや身体の使い方は素晴らしく、羨ましいくらいの選手でした。鍵山選手がカロリーナのような表現力を備えてくると、さらに強くなります。親子という指導環境に、新たに第三者が入ることで良い風が入り、精神的に良い面もあると思います」 

 また若手で野心むき出しの演技を披露する三浦佳生にも、大いに期待していると言う。 

「日本男子3名の中で、一番『なにが起こるのかな』とワクワクさせてくれる選手です。今季のフリーでは『進撃の巨人』のテーマ曲を選びました。『進撃の巨人』は世界的にも有名で、躍動感のある曲調と彼のダイナミックなジャンプとイメージがぴったりです。昨季のフリー『美女と野獣』では、ちょっと王子様っぽくなかったんですけど(笑)。今季はとても魅力的になって、成長したなあと思います」

“4回転の神”イリア・マリニンがライバル 

 そんな日本勢のライバルとなるのは、世界初の4回転半ジャンパー、米国のイリア・マリニン(19)だ。自ら“4回転の神”と名乗り、前代未聞の5回転ジャンプにも挑戦しているという。 

「男子は、米国の(イリア・)マリニンが異次元です。4回転半を一度成功しただけなら『まだ人類ってこんなものかな』と思うはずが、ポンポン成功してしまうので、本当にエキサイティング! しかも若手ながら、表現したい内面が見えてきていて、ジャンプだけでなく演技面も含めて強いです」 

 メダル争いについては、「男子は、1つのミスで順位が変わる、激戦」としたうえで、こう続ける。 

「やっぱりジャンプは、スケートのルールに詳しい人でなければ一番分かりやすい部分。スケートに注目してもらうという意味では、報道の仕方は自由ですし、ジャンプに注目する報道でも良いのかも知れません(笑)」

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