坂本花織(写真/共同通信社)

坂本花織(写真/共同通信社)

『世界のカオリ・サカモト』優勝なるか 

 一方の女子は、怪我で大会復帰がまだ実現していない紀平梨花(21)が不在の中、坂本花織(23)が“一強”の時代だ。 

「女子に関しては、坂本選手が『世界のカオリ・サカモト』として完成されています。パワフルなジャンプに加えて、勢いのあるスケーティングが魅力。圧倒的な力があるので、極論ですが1回くらいジャンプをミスしても優勝できる実力があります」 

 若手の千葉百音(18)と吉田陽菜(18)は初出場となる。 

「世界選手権ってやっぱり素晴らしい舞台。2人とも、変なプレッシャーを感じずに自分らしい演技を見せてほしいですね。千葉選手は、スケーティングが美しく、感情を醸し出すような表現ができますし、吉田選手も素敵なプログラムで表現面の成長を見せています」 

 また大技のトリプルアクセルに挑む吉田を、女子で世界初の4回転ジャンパーである安藤さんは温かい目で見守る。 

「吉田選手は、スムースで綺麗なジャンプをします。トリプルアクセルのような大技は狙いすぎると力んでしまうので、普段通りの気持ちで臨んでほしいです」 

 一方、女子のライバル不足も指摘する。 

「ロシア女子がいないので、メダル候補はベルギーのルナ・ヘンドリックス(24)くらいしかいないのが現状です。米国女子2人も、まだ安定感がない印象ですね。昔は各国にトップ選手がいて切磋琢磨したものですが、今は世界全体で女子が育っていない時期。日本の3人には、自分自身がライバルという気持ちで、進化の演技を見せて欲しいです」 

 世界選手権から生まれる次なるフィギュア・スターに注目をしよう。 

(了。前編から読む

取材・文/野口美恵

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