スポーツ

《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”

水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)

巨額の借金を抱える前の水原一平氏(2016年、写真/共同通信社)

 大谷が沈黙を破った。内容は単純明快、「違法賭博には一切かかわっていない。すべて一平さんのウソ」というもので、整合性も説得力もあった。しかし、それだけでこの騒動が終わるはずはない。疑惑が発覚したのは、韓国での開幕戦の夜のこと。どのような経緯で、大谷は事実を知ったのか。【前後編の前編。後編を読む

 3月21日(日本時間・以下同)、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平(29才)の専属通訳を務める水原一平氏(39才)が、違法賭博の負債のため450万ドル(約6億8000万円)を、大谷の口座から送金した巨額窃盗の疑いで、球団から解雇された。

 解雇直前の20日、アメリカのスポーツメディア・ESPNの単独インタビューに応じた水原氏は、2021年に南カリフォルニアの違法ブックメーカー(賭博業者)であるマシュー・ボウヤー氏と知り合った直後から、野球以外の複数のスポーツ賭博を始めたと証言。違法の認識はなかったものの、2023年初頭に借金が400万ドル(約6億円)に膨れ上がり、そこで初めて大谷に助けを求めたと明かした。

「当初、ESPNの取材に水原氏は、『翔平は、私を助けると言ってくれた』と証言。その後、2人で大谷選手の銀行口座から8~9回の電信送金を行い、それぞれ50万ドル(約7500万円)ずつ送金したと説明したのです」(在米ジャーナリスト)

 しかし解雇された21日、2度目となるESPNの取材に水原氏は、それまでの証言を全面的に撤回。不審がる記者から「私たちにウソをついたのか」と問いただされると、悪びれる様子もなく「そうだ」と認めたという。

 約7億円という巨額の送金から、その背景をめぐって、特にアメリカ国内ではさまざまな臆測が飛び交い、「大谷が通訳に賭けの指示を出していた」との“大谷主犯説”や、「水原は大谷の罪をかぶった」との“水原スケープゴート説”まで、まことしやかに囁かれた。そんな中、26日、ついに渦中の大谷が会見を開き、自身の声で疑惑を毅然とはねのけたのだ。

「ウソ」を6回も繰り返した

「用意した声明文をただ読みあげるだけではなく、感情を込めて真摯に釈明していたように見えました。約12分の会見の中で『ウソ』という言葉を6回も繰り返し、大谷選手自身が違法賭博に関与したことや違法ブックメーカーに送金した事実はないと強く否定しました」(現地特派員)

 大谷が語ったところによれば、水原氏の賭博癖や金銭トラブルを知ったのは、韓国での開幕第1戦が終わった後のチームミーティングの場だったという。

「会見で大谷選手は『結論から言うと、彼(水原氏)がぼくの口座からお金を盗んで、なおかつ、みんなにウソをついていた』と述べました。

 水原氏は違法賭博に関するメディアからの問い合わせに対しては、大谷選手に報告しない一方で、大谷選手の代理人には『彼(大谷選手)とは話してある』と虚偽の報告をした。違法賭博業者への送金についても、『某友人の借金を肩代わりした』、『自分の借金を大谷選手が肩代わりしてくれた』などと証言を変遷させたそうです」(前出・現地特派員)

 チームミーティングの場では大谷を置き去りにし、英語での釈明に追われたという水原氏。大谷はホテルに戻ってから、より詳細な説明を求めたという。

「ホテルで大谷選手と向き合った水原氏は、そこで初めて大谷選手の口座に勝手にアクセスし、ブックメーカーに送金していたと伝えたそうです。大谷選手は会見でも『彼が借金をしていることはもちろん知りませんでした。彼の借金返済に同意していませんし、ブックメーカーに対し送金してくれと頼んだことも、許可したことももちろんないです』と語りました」(前出・現地特派員)

関連キーワード

関連記事

トピックス

店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
岡田監督
【記事から消えた「お~ん」】阪神・岡田監督が囲み取材再開も、記者の“録音自粛”で「そらそうよ」や関西弁など各紙共通の表現が消滅
NEWSポストセブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
成田きんさんの息子・幸男さん
【きんさん・ぎんさん】成田きんさんの息子・幸男さんは93歳 長寿の秘訣は「洒落っ気、色っ気、食いっ気です」
週刊ポスト
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン