仲睦まじい姿を期待したのには、他にもちょっとした前段階がある。ちょうど1年ほど前に公開されたNESWポストセブンによる夫婦のラブラブデートの記事。そして資生堂のCMで見せた仲よさそうな夫婦の姿だ。2人は2023年のいい夫婦の日(11月22日)に公開された資生堂のメンズシリーズ化粧水「SHISEIDO MED」で共演。2人の共演は2002年のNHK大河ドラマ『利家とまつ~加賀百万石物語~』以来になる。穏やかな表情で見つめ合い、微笑み合っているCMは好評で、商品の売り上げは倍増し、奥さんが旦那さんにプレゼントするケースが増えたという。
2人の表情や口調、柔らかい仕草を見て温かい感情や思いやる気持ちなどが刺激されたのだろう。幸せそうな様子は、見ている人の心もほんわかと温かくする。心理学の研究でも感情は伝染することがわかっている。優しく温かい表情は、見る人の感情にポジティブな影響を与えるのだが、好き嫌いというようなはっきりした強い感情より、あっいいかも、なんか素敵だなという「アフェクト」と呼ばれる淡いほんのりした感情の方が、人の判断や意思決定に影響を与えやすいという。資生堂のCMが好評だったのもポジティブなアフェクト効果なのだろう。
記事やCMを見て、ポジティブ・アフェクトが誘引されドラマを見る。もしかするとドラマで見た夫婦仲によるアフェクトで、CMの商品を手に取る人も出てくるかもしれない。仲の良い夫婦の姿はそれだけで、見ている側を幸せな気持ちにさせてくれる。夫婦が共演する姿をもっと見たい。