そんな奮闘の中、長女・ハナちゃんが無事誕生。しかし、970gという超低体重児で生後3か月間は保育器の中で過ごした。
「生まれてきてくれた娘の無事を祈り、生きていることに感謝し続けました。生きているって、本当にありがたく、すごいこと。医療チームの懸命な努力、本人の生命力と意志、家族の思いなど全てが重なった奇跡なんですよ。そんな日々を過ごし続けると、わが子の発達や成長を他の子と比べる気持ちがなくなってしまっていたんです。今も“この子らしく生きてほしい”と願うのみなんです」
先日、宮崎さんは、「我が家のプリンセス ハナちゃん 4歳なんですが、実はまだお話しができないんです」とSNSで明かした。「ハナちゃんの個性なんだから、隠すことないんじゃない?」という夫・啓司さんの言葉もあってのことだった。
「標準」とは違っても娘のペースをサポートし見守っていく
「ネガティブなことを言われるかもしれない、と覚悟はしていました。でも、多くの皆さんがあたたかく受け止めてくれたんです。わが子の発達に悩んでいるフォロワーさん同士が情報交換したり、他人や親戚からの心無い言葉に傷ついてきた、なんて経験を話し合ったり、共感し合う優しい繋がり生まれたんです。そういう変化もまた、私たち家族に大きな力をくれました」
SNSには負の側面もあるかもしれないが、プラスに働く大きな力があると感じたという。
「世間のいうパーフェクトな正解が、その子の幸せにつながるとは限らない。その子が目標に向かい、試行錯誤して実現していくプロセスが大切だって思うんです。これは会社を経営してきて感じていることと重なります。一瞬の喜びの裏には、多くの悲しみや苦しみがある。家族や仲間たちの協力、多くの人の手助けがあって、今がある。そういう循環を意識すると、自ずと心も穏やかになるというか」
たとえ心を傷つけられるようなコメントがあっても、いまは怒りを爆発させることはないという。
「怒りは、百害あって一利なしなんです。ただ、時間がないときに、子供たちがマイペースな行動をしているとイライラしちゃうことはあるかな(笑い)。そういう時はトイレに入って、フーッと深呼吸。そうすると子供たちにきつい言葉であたったりすることはなくなります」
そしてこのたび、宮崎さんは第五子の妊娠を発表し、また話題を呼んでいる。経営者として会社を育て、母として子供を育て、メッセンジャーとして表に立つために自分を育てる超多忙な日々。それを支えるパワーの源は家族だという。
ケイジパパ、ゆうざん、ハナちゃん、ケイリーとマルプーのアンジーの大家族。さらに今年ベイビーが仲間入り。
「経営者と母親業って通じるところがあるんですよ。子育てと家事でマルチタスク能力が鍛えられるんです。企画書を作りながら打ち合わせをして、外部スタッフに指示出しをするとか、母親を経験したからこそ、いくつもの課題を同時にこなせていると思います」
華やかな道を何の苦労もなく歩んできたのではない、経験や知識を自分でものにしてきた努力の人。その多角的な視点こそが唯一無二の魅力なのかもしれない。
「今日は緊張して来たんですが、ニュースポストセブンさんの取材だからこんな感じが興味をもっていただけるかなってお話してみました。大丈夫でしたか」と取材を終えた後の宮崎さん。美容でもファッションのテーマでも、マーケティング論でも・・・多様な引き出しをもっているはず。それを媒体や対象を見極めて話せるクレバーさを感じた。
取材・文/前川亜紀
【プロフィール】 Reika Miyazaki
1988年生まれ 芸能界を経て、コンサルティング会社を設立。美容関連のサービスや商品、アパレル関連の事業コンサルを手掛ける。‘20年化粧品のOEMメーカーと美容及び再生医療の原料卸会社を立ち上げ、22年には自身の化粧品2ブランドをローンチ。また、自社ブランドの海外進出も達成する。’23年、植物療法を軸に温活、ピラティス、整体、エステの複合ウェルネス施設Vitolaboをオープン。著書に『実現者(マニフェスター)私「やべー女ですが」』(講談社)。インスタグラム @reikamarianna