血筋か環境か
プロゴルファーの沼沢聖一氏は「もちろん血筋による才能もあるが、子供の頃から身近にゴルフがあることが大きい」と語る。
「ジュニア時代からゴルフができる環境もあるし、いつもゴルフの話を聞いているので技術的なことを教えられても理解が早い。そういった環境の影響のほうが大きいでしょうね」
スポーツ紙のゴルフ担当記者もこう続ける。
「活躍する年齢が早くなっており、小学生低学年からゴルフを始め、ジュニアの試合で経験を積まないとツアープロとして活躍できない時代になっている。家族が協力することで子供の頃からゴルフができる環境が重要です。そのためにはゴルフに精通しているプロゴルファーが親というのはアドバンテージがある」
一方で、こんなマイナス面もあるという。
「プロ野球も同じですが、親が自分の子供の指導をするというのは難しい。子供に甘えが出ることもあるし、名プレーヤーの親は子供に対して“こんなこともできないのか”となりがちです。親が偉大であるほど子供にとってはプレッシャーとなる。ただ、レベル面で考えると男子ツアーより女子ツアーのほうが親から受け継いだ資質を生かせるチャンスがあり、竹田麗央にはさらなる活躍が期待できる」(同前)
米男子ツアー外競技の「PNCチャンピオンシップ」が毎年12月に開催される。メジャー大会で優勝した選手のみに出場権が与えられ、各選手がツアーカードを持っていない家族とペアを組んで戦う恒例のイベントで、米ツアーのレジェンドたちが親子でタッグを組む。2023年12月にはタイガー・ウッズと14歳になった息子のチャーリー君がタッグを組んで登場した。前出・ゴルフ担当記者が続ける。
「他にもビージェイ・シン、ジョン・デイリー、ネリー・コルダ、アニカ・ソレンスタム、ジャスティン・トーマス、ベルンハルト・ランガー、パドレイ・ハリントン、マット・クーチャーらが家族とペアを組んでいます。日本でもこのようなイベントを開催すれば、第二の竹田麗央が登場するのではないでしょうか」