IT重視で進められてきた大阪・関西万博の会場(電気事業連合会パビリオンの外観イメージ。時事通信フォト/同連合会提供)
慌てて民間に丸投げ「補助金あげるから作って」
市では20カ所の民間喫煙所を改修し、合計140カ所を目指すとしているが、大阪の商店街連盟 によると、最低367カ所の喫煙所が必要であるとの試算も出ており、足りるのかという懸念が指摘されている。「少ないのでは」という声については担当者も認識しているようで、「必要であればフォローしていく」とのこと。
さて、市の設置はどのくらい進んでいるのか。
実は市が新設するとした120カ所の目標に対し、「新しく設置が完了した」という発表はいまだなし。
これでは間に合わないと、市は4月10日になり、これまでの”喫煙所の面積はおおむね5平方メートル以上”という面積要件を撤廃したうえで、喫煙所を作ってくれる民間事業者を大募集し始めた。新たに喫煙所を設ける場合、地上は1000万円、地下は2000万円まで、また既存の喫煙所を改修する場合は300万円を限度に、それぞれ補助金を出す。もうどんな形でもいいから数を間に合わせようという算段だろうが、テンヤワンヤ感しかない。
なお禁止区域における路上喫煙は過料1000円を徴収することで、取り締まりを強化する予定。担当者は「指導体制を強化し、広範囲をパトロールしながら喫煙所の場所も案内することで、正しく喫煙できる環境を作る予定です」と言うが、喫煙所の数が間に合っていないのに、パトロール人員だけが路上で目を光らせていることになったら……。
パビリオンは間に合わず、トイレにはムダなお金がかかり、喫煙所にも手が回らずにお金をばら撒いて民間に助けを求める始末。大混乱の様相を呈している大阪・関西万博だが、果たして1年後はどうなっているのか。
<撮影・文/白紙 緑>