スポーツ

【テレビカメラは怖いです】知られざるLPGAゴルフ競技委員のお仕事 最も緊張するのは「トーナメント最終日・最終組からの呼び出し」

グリーン上でボールが当たり、テレビカメラのモニターで確認する競技委員(産経新聞社)

グリーン上でボールが当たり、テレビカメラのモニターで確認する競技委員(産経新聞社)

 ゴルフ競技に「審判員」は存在しない。ペナルティはプレーヤー自身が自己申告し、スコアはマーカー(同伴競技者)が記入したものを確認・署名して提出する。そのようにプレーヤーの自己責任で行なわれる競技であるが、彼らがルールの適用を迷う場面もある。そんな際に相談する相手が「競技委員」だ。どんな場面にも対応できるよう、試合前から会場入りして入念に準備する競技委員の役割について、JLPGA競技委員の門川恭子氏に『審判はつらいよ』の著者・鵜飼克郎氏が聞いた。(全4回シリーズの第2回。文中敬称略)

 * * *
 試合が始まると5人の競技委員がアウトとインに分かれ、競技委員のプレートがついたカートで待機する。手には無線機、耳にはイヤホンを装着し、各ホールに散らばっているスタッフからの“出動要請”に備えて待機する。

 1996年のプロテストに合格し、ステップアップツアーでの優勝経験もある元ツアープロで、2012年からJLPGAの競技委員を務める門川恭子が言う。

「競技委員長は基本的にクラブハウスの近くにいますが、いつでもカートで駆け付けられる状態にあります。競技委員長も含めて6人が待機し、トラブル現場に最も近い競技委員が急行する体制になっています」(以下同)

 プレーヤーではルール適用が分からなかったり、イエスかノーかの微妙なケースが生じたりした際に判断するのが競技委員の役割だが、ゴルフのルールは非常に複雑なので、かなりの頻度で呼ばれる。

「1日に10件、20件も呼ばれることもあります。特にコースの状態や天候によってルールの適用が難しくなることが多い。一方、コース状態が良ければ1日に1〜2件で終わることもあります。ペナルティエリアが多い、カート道やテレビ中継のアンテナといった動かせない障害物が多いコースも出動要請が増えます」

 無線で「何番ホールでルーリング(判定)。××選手が呼んでいます」と入る。すると、一番近くで待機している競技委員が応答して現場に急行する。基本的には現場に向かった競技委員が判断するが、さらに他の競技委員も呼んで協議するケースも年に1〜2度あるという。

関連記事

トピックス

復興状況を視察されるため、石川県をご訪問(2025年5月18日、撮影/JMPA)
《初の被災地ご訪問》天皇皇后両陛下を見て育った愛子さまが受け継がれた「被災地に心を寄せ続ける」  上皇ご夫妻から続く“膝をつきながら励ます姿”
NEWSポストセブン
子役としても活躍する長男・崇徳くんとの2ショット(事務所提供)
《山田まりやが明かした別居の真相》「紙切れの契約に縛られず、もっと自由でいられるようになるべき」40代で決断した“円満別居”、始めた「シングルマザー支援事業」
NEWSポストセブン
武蔵野陵を参拝された佳子さま(2025年5月、東京・八王子市。撮影/JMPA)
《ブラジルご訪問を前に》佳子さまが武蔵野陵をグレードレスでご参拝 「旅立ち」や「節目」に寄り添ってきた一着をお召しに 
NEWSポストセブン
前田健太と早穂夫人(共同通信社)
《私は帰国することになりました》前田健太投手が米国残留を決断…別居中の元女子アナ妻がインスタで明かしていた「夫婦関係」
NEWSポストセブン
オンラインカジノの件で書類送検されたオコエ瑠偉(左/時事通信フォト)と増田大輝
《巨人オンラインカジノ問題》オコエ瑠偉は二軍転落で増田大輝は一軍帯同…巨人OB広岡達朗氏は憤り「厳しい処分にしてもらいたかった。チーム事情など関係ない」
週刊ポスト
1990年代にグラビアアイドルとしてデビューし、タレント・山田まりや(事務所提供)
《山田まりやが明かした夫との別居》「息子のために、パパとママがお互い前向きでいられるように…」模索し続ける「新しい家族の形」
NEWSポストセブン
新体操「フェアリージャパン」に何があったのか(時事通信フォト)
《代表選手によるボイコット騒動の真相》新体操「フェアリージャパン」強化本部長がパワハラ指導で厳重注意 男性トレーナーによるセクハラ疑惑も
週刊ポスト
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【国立大に通う“リケジョ”も逮捕】「薬物入りクリームを塗られ…」小西木菜容疑者(21)が告訴した“驚愕の性パーティー” 〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン
国技館
「溜席の着物美人」が相撲ブームで変わりゆく観戦風景をどう見るか語った 「贔屓力士の応援ではなく、勝った力士への拍手を」「相撲観戦には着物姿が一番相応しい」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【20歳の女子大生を15時間300万円で…】男1人に美女が複数…「レーサム」元会長の“薬漬けパーティ”の実態 ラグジュアリーホテルに呼び出され「裸になれ」 〈田中剛、奥本美穂両容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン
前田亜季と2歳年上の姉・前田愛
《日曜劇場『キャスター』出演》不惑を迎える“元チャイドル”前田亜季が姉・前田愛と「会う度にケンカ」の不仲だった過去
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 自民激震!太田房江・参院副幹事長の重大疑惑ほか
「週刊ポスト」本日発売! 自民激震!太田房江・参院副幹事長の重大疑惑ほか
NEWSポストセブン