メイクが進むにつれ、表情もより美しくなっていく
安富さんとの出会いはYouTube番組
安冨さんは育児休業中の2023年に、かねて夢だった馬との暮らしや子供たちの自由な教育を実現するため、配偶者と幼い2人の子供(3才と2才)、白馬のユーゴン(牡馬・17才)、茶毛のエウロパ(牝馬・2才)と共に、この地に移住したという。
敷地内には母屋のほか、蔵、放牧場、厩舎、馬場、畑などがあり、秋吉とわれわれ取材スタッフは、改築したばかりだという蔵に通された。木材の香りが漂うその蔵は書庫になっており、本とレコードで壁一面が埋め尽くされていた。
「隠れ家のよう! 素敵な空間ですね」と歓声を上げる秋吉。彼女は幼い頃から大の読書好きで、いまも月に7〜8冊は読んでいるという。
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秋吉:安冨先生の本ももちろん愛読していますが、いまは、ソン・ウォンピョンの小説『アーモンド』(祥伝社)やレイチェル・カーソンの『沈黙の春』(新潮文庫)を読んでいます。読書好きになったのは両親の影響。幼い頃から生家にはいつも本が溢れていましたから。
〈秋吉は映画デビュー作『旅の重さ』(松竹)で、文学少女の役を演じているのだが、実生活においても読書家だったため、知性がにじみ出ていたのだろう。まさに適役だったといえる〉
安冨:では、私のことは著書でお知りになりましたか?
秋吉:いいえ、最初は『一月万冊(ひとつきまんさつ)』というYouTube番組です。これってひと月に1万冊読むって意味でしょ。「どうやったらそんなに読めるの」って、タイトルに惹かれて見てみたら、安冨先生が発言されていたんです。しかも、その内容が納得のいくものばかりで……。この出会いがきっかけで、先生の本も読むようになりました。1年くらい前のことだったかしら。
〈『一月万冊』とは、月に3000冊ほど本を読むというベンチャー企業の社長・清水有高さんが、2014年1月から運営しているYouTubeチャンネルで、登録者数は42.7万人を誇る。書籍紹介のほか、安冨さんをはじめとする専門家やジャーナリストをゲストに招き、時事ネタを取り上げるなどして人気を博している〉
安冨:あのタイトルは、速読が得意な清水さんが、「1か月に1万冊読めたらいいなぁ」という思いでつけたと聞いています。さすがに1万冊は難しいから(笑い)。1年前というと、私はどんなことを話していました?
秋吉:ジャニーズの性加害や松本人志さんに関する問題についてでした。
安冨:そうでした!
秋吉:お話はどれもとっても興味深かったんですが、その貴重なお話が耳に入ってこないくらい気になったのが、先生のお姿。目鼻立ちがはっきりしていて、各パーツのバランスも整っているのだから、眉を整えて、やわらかな色のリップを塗るだけで美しいのにファンデーションが厚すぎたり、濃いアイラインがずれていたり、口紅がはみ出ていたり……。それで今日は、ヘアメイクさんに一緒に来てもらったので、まずは“安冨大改造”から始めさせてください。もう少し軽やかになってほしいんです。
安冨:本当にお恥ずかしい限りですが、うれしい。こちらからお願いしたいくらいです。大分県に転居して1年半になるのですが、幼い2人の子を見守り、2頭の馬の世話をして、夜はYouTube撮影。これだけで毎日があっという間に過ぎていくものですから、なかなか美容院に行けなくて。
秋吉:先生を絶世の美女に大変身させますから、期待していてくださいね。
安冨:よろしくお願いします。