安全にマラソンは続行されるのか(Xより)
「市民ランナー」のリスクを回避
まず今年の『24時間テレビ』は、昨年11月に発覚した募金の着服によって、かつてないほどの逆風が吹き荒れていました。批判が殺到し、中止を求める声があがる中、「チャリティーの本質を見つめ直す」「番組の在り方を問い直す」という方針で放送を決断。メインテーマに「愛は地球を救うのか?」を選ぶなど強い意気込みで臨んでいるものの、人々の厳しい視線は変わっていません。
吉無田剛・総合プロデューサーが「新しい24時間テレビ“元年”にします」とコメントしていたように、新たなものを見せようという方針のもと、チャリティーマラソンは33回目で初めて「全国の児童養護施設に募金マラソン」と題して市民ランナーを募集。約1000人がチャリTシャツを着て、やす子さんと一緒に走ることが予定されていました。
放送日が間近に迫る中、制作サイドは決断を迫られていました。連日、台風の進路や被害状況を伝えるニュースが流れ、交通機関の運休やイベントの中止が次々に発表される中、ネット上には「走らせるつもりなのか」「やめるべき」などの否定的な声が続出。そして30日15時、制作サイドはホームページで「市民ランナーに参加していただく予定だったマラソンイベントは中止とさせていただきます。やす子さんのマラソンに関しては、安全に配慮しながら実施する方法を検討中です」と発表しました。
暑さに加えて強い雨や風を受けるなど心身の負担が大きい中、多くの一般人を走らせ、それを放送すること。それ以前に会場に集結させること自体を疑問視する声が目立っていただけに、市民ランナーの参加中止は賢明な判断のように見えます。
その一方で「全国の児童養護施設に募金マラソン」というコンセプト自体の変更はないようですが、台風や大雨の危機が去ったわけではなく、やす子さんのマラソンにも慎重な判断が求められるでしょう。
さらに言えば、「臨時の報道特別番組によって、チャリティーマラソン自体があまり放送されない」という最悪のケースも絶対にないとは言い切れません。それどころか、「無用な外出は避けてください」などと訴えるほどの事態になったら、多くのスタッフを動員してマラソンを続行するという矛盾は許容されないでしょう。