「伝説の選挙参謀」と呼ばれる選挙プランナーの藤川晋之助氏 。高市早苗氏をバックアップ (時事通信フォト)
大手メディアの総裁選報道は視聴率が取れそうな進次郎氏の動向を中心に報じ、保守層や経済界で起きている“高市現象”をほとんど報じない。
新聞・テレビが積極的に取り上げないのは、高市氏が容赦なく“マスコミ追及”に走るスタンスも関係あるだろう。大手紙政治部記者が言う。
「6月には、“高市氏が党の地方議員に総裁選出馬を明言した”とする新聞報道を自身のXで否定。〈『高市早苗潰し』が目的と思われる記事〉と激しく追及した。ネット上の同調者も多く、炎上リスクを気にする記者は多い。テレビの記者は総務大臣時代の2016年、番組が政治的公平性に欠く放送を繰り返した場合、『停波』を命じる可能性に言及したことを覚えている。扱いが及び腰になるのです」
だが、総裁選で高市氏が安倍氏の熱烈な支持者や岩盤保守層の支持をまとめ、“保守のカリスマ”としての地位を固めつつあるのは間違いない。
それはつまり、総裁選を通じて「高市氏かそれ以外か」の構図が固定化する可能性を孕んでいるということだ。高市氏が勝っても負けても、その先には深刻な党内分断が待っているのかもしれない。
※週刊ポスト2024年10月4日号