国内

《総選挙の行く末》自民党反主流派の旗頭となった高市早苗氏が「高市新党」で戦う可能性も 「かつての宮沢政権下の小沢一郎氏に似ている」との指摘

「高市新党」結成の可能性も(時事通信フォト)

「高市新党」結成の可能性も(時事通信フォト)

 自民党総裁選で石破茂・首相と大接戦を演じた高市早苗・前経済安保相。高市氏を支えた面々は非主流派に転落したが、その不満のマグマが噴出することで、自民党は一気に瓦解へと向かう可能性がある。そして岩盤保守層を中心に、「高市新党」が結成される現実味を帯びていると、有識者は指摘する。【全3回の第2回。第1回から読む

 総選挙で注目されるのは、裏金議員の公認問題だが、現実問題として今から候補の差し替えや刺客を立てるのは難しい。そこで石破首相は、国民への説明材料として、裏金問題で政治資金収支報告書を訂正した議員たちの比例重複立候補を認めない方針だという。

 石破執行部の方針に気が気でないのは、比例復活当選組や比例代表として出馬し、当選した議員たちだろう。自民党の裏金議員には比例当選組が14人もいるが、重複立候補が認められなければ即、落選の危機だ。

 小選挙区当選組も、うかうかできない。自民党の公認候補は各都道府県連の申請を受けて党本部が決定するが、すでに裏金問題で地元からNOを突きつけられている議員もいる。

 裏金発覚後も政治資金をめぐる問題が相次いだ旧安倍派の田畑裕明・元総務副大臣(富山1区)の地元組織、自民党富山市連は田畑氏を擁立するかどうかで紛糾。市連傘下の一部の党支部が独自に党員へのアンケートを行なったところ、反対が上回った。

 他の県連幹部を務める自民党ベテラン議員はこう心配する。

「地方組織には裏金問題で国会議員への不満が溜まっている。総裁選の盛り上がりでなんとか批判が少し収まったのに、比例重複立候補を認めない方針などとなると、寝た子を起こすことになる」

 そうした議員たちの石破執行部への反発の受け皿になっているのが、いまや反主流派の旗頭となった高市氏だ。

「高市さんは党執行部入りも入閣も拒否して石破政権には与しない態度を鮮明にした。石破総理の強引なやり方に正面から反対できるのは、党内の半数の勢力を持つ高市さんしかいない」(旧安倍派の若手議員)と期待が高まっている。

 もっとも、現在の石破執行部から高市氏のシンパ議員が除外されているだけに、石破首相が公認問題で旧安倍派や高市氏の支持派への締めつけに走り、当選困難な状況に追い込もうとしても、有効な反撃は難しい。

関連キーワード

関連記事

トピックス

麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン
左から広陵高校の34歳新監督・松本氏と新部長・瀧口氏
《広陵高校・暴力問題》謹慎処分のコーチに加え「残りのコーチ2人も退任」していた 中井監督、部長も退任で野球経験のある指導者は「34歳新監督のみ」 160人の部員を指導できるのか
NEWSポストセブン
松本智津夫・元死刑囚(時事通信フォト)
【オウム後継「アレフ」全国に30の拠点が…】松本智津夫・元死刑囚「二男音声」で話題 公安が警戒する「オウム真理教の施設」 関東だけで10以上が存在
NEWSポストセブン
二刀流復帰は家族のサポートなしにはあり得なかった(getty image/共同通信)
《プールサイドで日向ぼっこ…真美子さんとの幸せ時間》大谷翔平を支える“お店クオリティの料理” 二刀流復帰後に変化した家事の比重…屋外テラスで過ごすLAの夏
NEWSポストセブン
9月1日、定例議会で不信任案が議決された(共同通信)
「まあね、ソーラーだけじゃなく色々あるんですよ…」敵だらけの田久保・伊東市長の支援者らが匂わせる“反撃の一手”《”10年恋人“が意味深発言》
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
8月に離婚を発表した加藤ローサとサッカー元日本代表の松井大輔さん
《“夫がアスリート”夫婦の明暗》日に日に高まる離婚発表・加藤ローサへの支持 “田中将大&里田まい”“長友佑都&平愛梨”など安泰組の秘訣は「妻の明るさ」 
女性セブン
経済同友会の定例会見でサプリ購入を巡り警察の捜査を受けたことに関し、頭を下げる同会の新浪剛史代表幹事。9月3日(時事通信フォト)
《苦しい弁明》“違法薬物疑惑”のサントリー元会長・新浪剛史氏 臨床心理士が注目した会見での表情と“権威バイアス”
NEWSポストセブン
海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン