ドラマ『インフォーマ ―闇を生きる獣たち―』三島役の佐野玲於(GENERATIONS)(撮影/二瓶彩)
続編の撮影では、すぐ前作から続く世界観に入ることができましたか?
桐谷:前作のメインスタッフの方々が変わらずに揃ってくださっていることが大きかったです。スッとインフォーマの世界に入れました。続編の衣装合わせの時に、久しぶりのみんなの前で僕が「祭りが始まりよったぞー!」て言いながら入ったんです(笑)。それだけで現場はめちゃくちゃ盛り上がってくれて。
佐野:あれは盛り上がりましたね(笑)。
桐谷:やっぱりスタッフさんが大切な軸だと思うんです。だからその軸が前作と同じ顔ぶれだというのは、それだけで安心感があります。さらにこの顔ぶれだからこそ、前作を超えるものを作っていきたいという空気、思いも共有できたように思います。
役作りの面で新たに意識されたことってありますか?
佐野:無いって言ったら怒られちゃうかもしれないですけど、僕は無いですね(笑)。もちろん前作のときよりも活躍の舞台が何倍もスケールアップしている分、頭の中で三島がいくらか成長したイメージを思い描くことはありましたが、だからといって気持ちのうえで特別な準備したわけではありません。それでも前作から切れ目なく、違和感なくスッと役に入っていけました。気持ちではない部分としては、筋トレは控えました(笑)。
桐谷:パンプアップすんなって言われたん?(笑)
佐野:はい、パンプアップ禁止ですって(笑)。“ポンコツ”の三島がマッチョになってたら、イメージが違いますもんね。自分にとってはやっぱり前作のときの空気感っていい意味で強烈だったんですよ。前作の撮影はもう2年ぐらい前になりますが、あまりに強烈な感覚があったので心と体がしっかり覚えていた。『インフォーマ』の現場は、共演者の方やスタッフさんになんでもすぐに相談できる環境、関係性があって、僕はわからないことあったらすぐに尋ねるタイプなので、健太さんやスタッフさんたちに、前作の強烈な感覚を思い出させてもらい、“ポンコツくんの空気”にしてもらえた感覚もあったと思います。
ドラマ『インフォーマ』シリーズは、沖田さんが書かれた原作の小説とは内容が異なる部分があり、小説を読んだ人にも、ドラマのネタバレにならないような展開が工夫、用意され、“2度楽しめる”作品になっています。
沖田:そうですね。小説、ドラマの台本、それから漫画版のストーリー、どれも自分が筆を入れています。自分の中では、小説は小説の『インフォーマ』の世界観があって、映像は映像の『インフォーマ』の世界観があって、漫画は漫画の『インフォーマ』の世界観がある。実際には、“3度楽しめる”物語なんです。どれも同じ『インフォーマ』なんですが、全部違う世界観だという感覚で、それぞれを大切に育てていくようなイメージです。どれも違うんですけど、自分からしたら全部を含めて『インフォーマ』。
もっと言いますと、小説は原作ではあるけれど、軸となるのは映像だと思っています。その軸を作りだしてくれているのがここにいるお二人。2年ぶりに第2作目で集まってくれたときに、ちゃんとそれぞれが成長した姿で帰ってきてくれたのを現場で目の当たりにしてすごく感動しました。