ドラマ『インフォーマ ―闇を生きる獣たち―』木原役の桐谷健太(撮影/二瓶彩)
前作『インフォーマ』は、みなさんにとってどのような作品でしたか?
沖田:これまで世の中に数多(あまた)のドラマが送り出されてきた長い歴史の中で、前作の『インフォーマ』という作品が、既存の日本のドラマのさまざまな部分を塗り替えることができた、そんな実感がありますね。他に似たような作品が存在しない、唯一無二の作品になったのではないかと思っています。日本のドラマというジャンルで言えば、『インフォーマ』の“前”なのか、“後”なのかというぐらい、エポックメイキングな作品になった自負はあります。
桐谷:「俳優・桐谷健太の覚醒」という言葉で、前作は表現できたと思っています。撮影が進むごとに、まさに自分の中で何かが「覚醒」していく感覚が掴めた作品でした。僕にとって連ドラ単独初主演という記念となる作品が、この『インフォーマ』であったこと自体が、とてもうれしいことでした。
佐野:僕にとっては、一言でいえば「出会い」の作品だったのかなと思います。健太さん、沖田さん、他の共演者のみなさんやスタッフさんとはもちろん貴重な出会いでしたし、撮影中のすべての経験とも、忘れることができない“出会い”ができました。自分のキャリアのなかで、『インフォーマ』に出演できたことが「貴重な出会い」だったと感じていますし、そういう幸せな仕事と巡り合えたことに感謝しています。
沖田:原作者として自分にとって大きかったのは、『インフォーマ』というタイトルを生み出したことだと思うんです。そのタイトルをいろんな場面で、いろんな人から聞くたびに、この名前が自分の手元から飛び立って、自分だけのものじゃない、みんなの作品となって広がっているように感じられたことはとても嬉しかった。
桐谷:僕もいろんな作品にこれまで出させていただいていますが、『インフォーマ』は、本当に映像業界の関係者や役者仲間からの反応が大きかったです。
佐野:うんうん、そうなんですよ!
桐谷:さらにいえば、役者仲間の役者仲間というか、僕とは直接つながってない人からの反応もたくさんあった。「誰々さんがめちゃくちゃ面白いって言ってたよ」とか、「誰々さんに、『続編ってあるの?』って聞かれたけど」みたいなことをあちこちで聞かせていただきました。
佐野:僕もそうですね。このエンタメの業界の方から感想をいただくことが多かったです。僕は普段はパフォーマーとしての活動が多いので、インフォーマの中の三島が僕だと結びついてない人もいて、会ったときに、「佐野くんが、あのポンコツ君だったんだ!」っていうような答え合わせみたいな反応もあったりして(笑)。
桐谷:役者仲間たち何人かからは、「もし次があるなら出たい!」とまで言ってもらえましたね。『インフォーマ』はそんなふうに思ってもらえる作品になったんだと感じて、すごく感動しました。
佐野:僕、音楽やデザイナーの仕事の関係で海外に行くことも多いんです。Netflixで配信されたことで、海外の友達も見てくれて、そこからさらに広げてくれて。僕が好きな『Trash Talk』っていうアメリカのパンクバンドのギタリストから、「『インフォーマ』のスタッフTシャツをアメリカに送ってくれ」とか「続編はいつやるんだ」とか言われたりしました。それもすごくうれしかったですね。