芸能

晩年は病魔と闘う日々だった西田敏行さん「どう命をたたむか毎日考えている」「死を考えることが幸せ」東日本大震災で紡ぎ出された独特の死生観 

急逝した俳優の西田敏行さん

急逝した俳優の西田敏行さん

 俳優の西田敏行さんが10月17日、虚血性心疾患で亡くなった。76才だった。年を重ねるとともに俳優として円熟味を増していった西田さんだが、一方で晩年は病魔との闘いの日々でもあった。 

 2001年11月、首の骨が変形して手足のしびれが起こる頸椎症性脊髄症の手術を受けた。2003年3月には心筋梗塞を発症して生死の境をさまよい、2016年2月には自宅ベッドから転落して頸椎亜脱臼に。その手術を4月に受けた直後、胆のう炎を発症した。近年は糖尿病の治療を続けていたという。 

「2016年にベッドから転落したことで、両手両足にまひが残ったと明かしていました。手術と執念のリハビリを経て復帰を果たしましたが、ここ数年は杖が手放せず、基本的に車椅子で移動することが多かったようです」(映画関係者) 

 どの撮影現場でも、西田さんへの最大限の配慮がなされていた。 

「ナレーションを務める『人生の楽園』(テレビ朝日系)では、体調を崩して収録を休んでも問題ないよう、2か月分ほど録りだめする体制が敷かれていました。西田さんは“こんなに気を使ってもらって、本当に申し訳ないね”と話していました。それでも、病気を理由に第一線を退いたりすることは一切考えていなかったといいます」(テレビ局関係者) 

妻からは禁酒禁煙を厳命され…… 

 西田さんの著書『役者人生、泣き笑い』(河出書房新社)には次の一説がある。 

《幸か不幸か、役者には定年がないので、生きている限り役者稼業を続けて行くつもりです》 

 その言葉通り、西田さんは「生涯役者」をまっとうしたと言えるだろう。それを支えたのは妻だった。1974年に結婚した4才年下の妻・寿子さんも、かつては女優をしていた。だが、西田さんとの交際を機に女優を諦め、当時まだ下積みをしていた西田さんを支えるために、いくつもアルバイトを掛け持ちしたという。西田さんの才能に惚れ込んだからにほかならない。 

「寿子さんはずっとスリムなスタイルを維持していて、とても気品のあるかたです。確か、ヨガか何かのインストラクターのようなこともしていたはずです。夫婦仲はいたって良好で、亡くなるつい1週間ほど前にも、一緒に近所の馴染みのそば屋から出前を取って、西田さんは大盛りそばと卵丼をペロリと平らげていたそうです」(近隣住民) 

 西田さんの個人事務所の代表も務めていた寿子さん。西田さんの俳優としての成功は、寿子さんが裏方として支えなければ、なしえなかったことだろう。 

「心筋梗塞で倒れたとき、医師から“原因はお酒とたばこ”と言われ、寿子さんは禁酒禁煙を厳命しました。それまで、浴びるように飲むことも頻繁でしたし、多いときには1日8箱もたばこを吸うヘビースモーカーでしたからね。寿子さんはきっちりと栄養をコントロールした食事を手作りしました。そのおかげで演技を続けられたんだと西田さん自身もわかっていたようで、寿子さんには頭が上がらなかったようです」(芸能関係者)

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平の投手復帰が待ち望まれている状況だが…
大谷翔平「二刀流復活でもドジャースV逸」の悲劇を防ぐカギは“7月末トレード” 最悪のシナリオは「中途半端な形で二刀流本格復活」
週刊ポスト
フランスが誇る国民的俳優だったジェラール・ドパルデュー被告(EPA=時事)
「おい、俺の大きな日傘に触ってみろ」仏・国民的俳優ジェラール・ドパルデュー被告の“卑猥な言葉、痴漢、強姦…”を女性20人以上が告発《裁判で禁錮1年6か月の判決》
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン
“進次郎劇場”で自民党への逆風は止まったか
《進次郎劇場で支持率反転》自民党内に高まる「衆参ダブル選挙をやれば勝てる」の声 自民党の参院選情勢調査では与党で61議席、過半数を12議席上回る予測
週刊ポスト
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
「生肉からの混入はあり得ないとの回答を得た」“ウジ虫混入ラーメン”騒動、来来亭が調査結果を公表…虫の特定には至らず
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談【第24回】現在70歳。自分は、人に何かを与えられる存在だったのか…これから私にできることはありますか?
週刊ポスト