清水建設・東急不動産共同企業体による提案書、生まれ変わった渋谷ホームズ

清水建設・東急不動産共同企業体による提案書

34階建てタワマンvs「パークコート渋谷」

「渋谷ホームズ」が34階建てになれば、当然、「パークコート渋谷」側の日当たりや眺望は悪化し、資産価値が大幅に下がることが考えられる。もちろん「パークコート渋谷」の住民である西脇氏もその被害を受けることになるが、彼が最も不安視しているのは、神南小学校の児童への影響だ。

 東急不動産と清水建設による提案書の通りに再開発事業が進めば、小学校からわずか10メートル足らずの距離に高さ約140メートルの開放型バルコニーのタワマンが出現することになる。西脇氏が訴える。

「小学校への日当たりが悪くなるのに加えて、ビル側からの落下物や盗撮、風害などの危険性も考えられます。この前も横浜の商業施設で飛び降り自殺に巻き込まれた人が亡くなる事故があったでしょう? これは渋谷区がバックアップする再開発事業なんですから、大人が子どもの安全をないがしろにしては絶対いけません。子どもに明るい未来を差し出せる日本社会でなきゃ……」

 これまでの人生は仕事に打ち込むばかりで、市民運動のようなこととは無縁だったという。

「再開発に抗うために、メディア対応をしたり、署名を集めています。ほかには渋谷区議会で実際どんなやり取りが行われているのか確認に行くこともありますが、あくまで“傍聴”という立場なので、区民が発言できる機会はほぼなく、そんな区政の在り方にも問題を感じています。

 幸い自分には時間はあるし、年齢的にも何も怖くない立場ですからね(笑)。子どもたちの未来のために少しでも何か貢献できたらと思います。僕は諦めが悪いので、この運動はなんとしてでも続けますよ」

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