青いはっぴにハチマキ姿で「バーのイスレース」に挑戦した手越祐也と宮川大輔(番組公式HPより)
宮川さんの身体を張った挑戦は毎回面白いのだが、1人だと地味で淡々としてしまい、なんとなく盛り上がりに欠けることもある。だがパートナーに手越さんがいれば、それだけで面白さが倍増。軽快でチャラいキャラを存分に発揮し、軽妙なやり取りと立ち回りのうまさで雪山での挑戦を盛り上げた。それは相手を生かして面白くさせる漫才の掛け合いのようで、宮川さんさえもテンポもよく、生き生きと楽しそうに映し出していた。
番組を見たファンや視聴者も彼らの姿を楽しんだことだろう。さらにいえば、彼の出演を楽しみにチャンネルを番組に合わせたファンたちは満足度が高かったはずだ。そこには「イケア効果」的な感覚があったのではと思う。イケア効果とは、家具ブランドのイケア(IKEA)にちなんでつけられたものだが、一部でも自分で組み立てたり作ったりすると評価が高くなり、愛着が強くなるというバイアスだ。組み立てるという工程が心をとらえ、手間をかけた分、満足度もアップする。
本気で挑戦する手越さんを楽しんだだけでなく、テレビの前に座り、わざわざチャンネルを合わせるというひと手間を行ったことで、手越さんへの満足度も幸福度もアップ。その結果、この回の平均視聴率は世帯で11.9%、個人が9.1%、コア視聴率は8.9%。前回は世帯が13.5%で、個人が9.8%、コアが10.6 %。どちらも高視聴率をたたき出し、”持っている男”、”令和の視聴率王”とさえ報じるメディアがあるほどだ。テレビ局にとって番組の視聴率は重要だ。中でも13歳から49歳までの若者層の個人視聴率であるコア視聴率を重視しているという。NHKが大晦日の「紅白歌合戦」で若返りを図るのも、このコア視聴率を上げるためだろう。
メディアが報じているところによると、「イッテQ!」は1週間の全局全番組の中でも最も高いコア視聴率を出す番組だそうだ。それでも6%台だというから、手越さんの出演がいかに若者層の心をつかんだかがわかるだろう。チャンネルを番組に合わさせて、楽しませることができる彼。レギュラーとして復帰する日は近いかもしれない。