国内

《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に

ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)

容疑者はかつてラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)

 それはDVやストーカー被害なのか痴話げんかなのか、確かに判別は難しい。だが、社会の治安を維持する役割がある警察には、一般市民よりも多くの具体例に遭遇しているのだから、より適切な危機回避対応を期待する。その期待を下回ったとき、二度と同じ事が起きないように、私たちが期待するのは経緯の解明と説明だろう。ライターの宮添優氏が、川崎市で起きた女性死体遺棄事件と元交際相手の白井秀征容疑者逮捕をめぐり、混乱と緊張が高まる事件発生現場周辺についてレポートする。

 * * *
「市民のことなんか全く気にしない。これだけ助けを求めても何ともならなかった。本当に悔しい」

 神奈川県川崎市の民家から20歳女性の遺体が見つかり、神奈川県警は死体遺棄容疑で元交際相手の男を逮捕した。最悪の結末を迎え、被害者の家族らと一緒に行方を探したり、SNSで情報を発信してきたという知人女性は、筆者の取材に静かに警察への怒りを滲ませた。なぜ、警察を非難する言葉が出てくるのか。

機動隊を外に待たせるほど緊張

 4月30日夜に民家で遺体が発見されると、報道各社は誰かが号令を出したかのように、一斉に事件を報じ始めた。さらに、遺族が報道陣の前で盛んに訴えたことから、警察発表と遺族コメントには相当の乖離があることが明るみに出た。なぜ、これほど隔たりがあるのか、民放キー局の社会部デスクが声をひそめて言う。

「約1か月前、テレビや新聞などのマスコミに被害者のご家族から情報提供があり、各社が取材に取り掛かろうとしました。取材のセオリーとして、まず確かに事件が存在しているのか警察に確認するのが普通の方法で、その後に現場取材も始めます。それに従って各社が神奈川県警に取材をしましたが、事件性はないのではないか、といった返答ばかり。その結果、ほとんどの社が取材をやめてしまった。ところが、県警から急に”事件が動く”と連絡が来て、各社慌てて現場に記者やカメラマンを急行させました。そんななか唯一、フジテレビだけが家族にずっと密着取材をしていたそうで、他社が知らない情報をいち早く報じていました」(キー局社会部デスク)

 事件発覚後、警察の対応にどうしても納得がいかない被害者の家族や知人らが、事件を管轄する臨港警察署前に集まり、抗議の声をあげた。さらに、臨港署の建物内に関係者が押しかけ、職員に詰め寄る様子などがSNSでライブ配信もされた。

関連記事

トピックス

まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
生徒のスマホ使用を注意しても……(写真提供/イメージマート)
《教員の性犯罪事件続発》過去に教員による盗撮事件あった高校で「教員への態度が明らかに変わった」 スマホ使用の注意に生徒から「先生、盗撮しないで」
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《ロマンス詐欺だけじゃない》減らない“セレブ詐欺”、ターゲットは独り身の年配男性 セレブ女性と会って“いい思い”をして5万円もらえるが…性的欲求を利用した驚くべき手口 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
『帰れマンデー presents 全国大衆食堂グランプリ 豪華2時間SP』が月曜ではなく日曜に放送される(番組公式HPより)
番組表に異変?『帰れマンデー』『どうなの会』『バス旅』…曜日をまたいで“越境放送”が相次ぐ背景 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン