伊豆急下田駅に到着された愛子さま(時事通信フォト)
JR東日本に「撮り鉄」騒動を聞いた
皇室ジャーナリスト・神田秀一氏が解説する。
「電車愛好家の方々が『お召し列車』を撮影しようと詰めかける騒動は、2019年9月28日に6両編成での運行を含めて、 これまでもたびたびあります。警備や安全面の都合から運転状況などは一般にアナウンスされないはずなのですが、愛好家たちはどこからか情報を得て詰めかけてくるんです。現代ではインターネットで情報収集するのが当たり前ですが、そうでない昔の時代から問題視されています」
JR東日本の担当者に当日の状況を問い合わせたところ、「当日はご自身が列車を利用されるためにいらしたお客様も多く、E655系を撮影するために訪れた方の人数は推測が困難です」とのこと。くわえて、「警備をしたことは事実です」との回答が得られた。
気になるのは、SNS等で拡散されている映像のような状況が混乱やトラブルを招かなかったのかという点だが、担当者曰く「トラブルや混乱が発生したとの情報はありません」とのこと。また苦情などついては「当社へのご意見は特にございませんでした」という。
前出・神田秀一氏が続ける。
「昭和天皇の頃はよく移動手段に電車を使われていました。もともと原宿駅の近くには皇室専用の通称『宮廷ホーム』 があり、ご静養や巡幸の際はそこから出発されていました。明治神宮が近いこともあり、都合が良かったのではないでしょうか。当時はそこに関係者が集まり、両陛下が出発する前に警備等の打ち合わせをされることもありました。
ただ現代においては、皇族の方々が電車で移動することへの懸念も増えつつあります。電車移動を控えられることも可能性としてはゼロではありません。とはいえ、現代においても、万全な移動手段はなかなかないため、鉄道会社も含めた関係者各位、何かと気苦労が絶えない状況なのかと思われます」(同前)
両陛下が心から“和む”ことができたご移動であったことを祈る──。