オブライエン容疑者は無罪を訴えたものの終身刑を言い渡された(寄付サイト『GoFundMe』より)
“地獄の刑務所”の全貌
オブライエン容疑者が収監されたドバイ中央刑務所とはどんな場所なのだろうか。
「劣悪な収容環境、不十分な医療体制、看守による拷問など、問題を挙げれば枚挙にいとまがない。米メディア『New York Times』は“地獄の刑務所”と報じています。オブライエン容疑者は、ほかの6名の女性囚人と一緒に独房に入れられ、マットレスと枕だけを与えられて床で寝ているそうです。
昨年夏に収監された他の受刑者によると、1つの監房に20人が詰め込まれ3台のベッドを毎晩のように奪い合っており、悪臭が漂うなど衛生環境も最悪。また、看守や警察官から殴る蹴るの暴行を受けることもザラで、さらにはレイプも日常茶飯事だといいます」(同前)
刑務所内はもはや無法地帯となっており、目を塞ぎたくなるような暴力が横行しているという。2012年に麻薬所持の疑いで逮捕されたイギリス人男性のカール・ウィリアムズさんは、BBCのドキュメンタリー番組の中で、痛ましい体験談を明かしている。
「看守に殴られ、囚人同士の争いが起き、毎日が命懸けだったとウィリアムズさんは述べました。ある時には、囚人間で乱闘が勃発し、看守がそれを見逃したことで、ナイフによって刺されて男性が亡くなったこともあったようです。
また、ウィリアムズさんは警察の取り調べの様子も振り返っており、“もはや拷問”だったその一部始終を明かしています。暴力を加えられ、頭に銃を突きつけられたあとでズボンを脱がされた。しまいには睾丸に電気ショックを浴びせられたとのことです」(同前)
“いわゆる悪友”との付き合いが、まさかここまで過酷な環境に身を追い込むことになろうとは──。アラブ首長国連邦では、収監中でも判決から15日以内であれば控訴の申立てができる。オブライエン容疑者は今後、控訴する予定だという。